ヘルスケアREITのリスク
4月25日に、国土交通省において、「第1回高齢者向け住宅等を対象とするヘルスケアリートの活用に係るガイドライン検討委員会」が開催された模様です。公表されている会議配布資料を見ますと、ヘルスケアREITに内在するリスクが浮き彫りになっています。
当資料の内容に入る前に、ヘルスケアREITに関し一般的に言われていることをまとめると、次のようになります。
・今後ますます高齢化が進む中で、ヘルスケア施設に対する社会的ニーズは非常に高い
・ヘルスケア事業者の投資負担が増加する中、新たな資金調達手段としてのヘルスケアREITの意義は大きい
・オフィス等のセクターが景気の減速による賃料収入の減少に見舞われやすいのに対し、ヘルスケア施設の場合は安定的
・ヘルスケア施設運営に関する透明性が向上する
などがメリットとしてあげられている一方、投資家視点でのデメリットとして、投資リスクが計りにくい、物件の流動性が乏しい、収益のアップサイドが狙いにくいなどが言われています。
一方で、国土交通省の上記資料では、施設利用者サイドからの視点として次のような懸念を明らかにしています。
・当該施設を安定的かつ継続的に利用できるか
・不動産投信等の都合によりサービス水準の低いオペレーターに変更されるのではないか
・オペレーターから不動産投信等に支払う賃料が引き上げられ、施設利用者の賃料やサービス利用料等に転嫁されるのではないか
上記懸念に対応するために、ガイドラインに種々の対策が盛り込まれようとしているところです。
ガイドラインが遵守され実効性を持つことを期待しますが、仮にそうなったとしてもリスクが存在することには変わりありません。ホテルよりもオペレーショナルリスクが高いと言えるのがヘルスケア施設でしょう。そして、オペレーション上の失敗が生じた場合には、単にオペレーションの問題にとどまらず、世間的弱者と看做される施設利用者つまり入居者との関係で、世間的により大きな問題となってしまうことが予想されます。
そうした意味で、個々のヘルスケアREITへの投資の是非の判断は、オペレーターの実績・経験、能力、誠実さなどとともに、運用会社からオペレーターに対し適切なガバナンスがなされているかなど、定量的・定性的判断が必要であり、本質的には素人には判断が難しいセクターと言えるでしょう。
そうなりますと、結局単純な話になりますが、一般の個人投資家にとっては、運用会社の信用度で見ていくしかなさそうです。
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