大暴落のJ-REITはどこで底入れするのか?

このブログは、9月9日(水)AM8:56に配信した弊社メルマガと同一内容のものです。

大きく外れた私の予想 – 今年7月2日のJ-REIT下落時

7月3日に配信したメルマガで、7月2日の東証REIT指数の大幅下落(前日比2.1%マイナスの1772.95)について、いい水準まで下落したので今後緩やかに上昇するであろうと予測しました。
結果は、皆さんご承知の通りその後も下落を続け、9月8日の終値は何と1,509.63 (安値は1,503.46) となりました。
同日のメルマガで、「AM会社、証券会社が発行する相場暴落直後の安心レポートは鵜呑みにするな」と警鐘をならしたまでは良かったのですが、今回は自分の予想も同じ結果となってしまいました。
平にお詫びいたします。

では、今後はどうなるのでしょうか?
まあ、誰にもわからないとは言えるのですが、それでは身も蓋もないので、もう一度予想してみましょう。

2013年3月以降の暴落局面を参考に

今回は、2013年3月に始まったJ-REITの暴落、底入れのタイミングを振り返り、今回の暴落局面に当てはめてみます。
J-REITは2013年3月27日の1,700.91をピークに、その後下落を続けました。
一方で、日経平均は5月22日に付けた15,627.26をピークとして、その後暴落しています。
底入れしたのは、J-REIT、日経平均とも6月13日でした。
J-REITは26.7%の下落(底値1,246.28)、日経平均は20.4%の下落(底値12,445.38)となりました。
J-REIT下落開始から概ね2ヶ月弱で日経平均が下落を始め、その後、3週間くらいで底入れしています。

今回2015年はどうなっているか?

今回は、色々と取り方はあるかと思いますが、J-REITは6月23日の1,829.67をピークとしてその後下落が続いております。
日経平均は、J-REITの下落開始後1ヶ月と3週間ほど後の8月10日の20,808.69をピークに、下落を始めました。
9月8日でほぼ1ヶ月が経過したことになります。
ここまでの下落率は、J-REITが17.5%(9/8終値1,509.63)、日経平均が16.3%(同17,427.08)となっています。

結局J-REITの今後は?

2013年の下落率を参考にすれば、今回は、J-REITが1,350、日経平均が16,500くらいまで落ち込んでも不思議はありません。ここを最悪のラインと見ておけばどうでしょうか?
ちなみに、2013年と今年の株価暴落の原因は、面白いことにいずれも中国経済に対する懸念ですね。

一方で、バリュエーション的にはどうでしょうか?
J-REITの予想配当金利回りは何と3.97%まで上昇しています。イールドスプレッドは、3.6%です。日経平均のPERは、13.98と14を割りました。
相当、魅力的な水準であることは確かです。
NYダウも、8月25日に15,666.44を付けましたが、その後は16,000以上をキープしています。

2013年も今年も、まずはJ-REITが下がりその後1ヶ月半から2ヶ月弱で日経平均が下がっています。
そして、J-REITは、2013年には、下げ始めの起点のピークから2ヶ月と17日で底入れしました。
そのタイミングを今回にあてはめると、底入れは9月10日あたりとなります。
参考までに、不動産マーケットのファンダメンタルズとその将来見込みは暴落前後で全く変わっていません。

そして、恐らく今回のJ-REIT暴落は、次の要因でまとめることができるのではないでしょうか。

・一部で喧伝されている賃料がなかなか上昇しないというアナリスト情報の下
・増資で受給が緩むという背景が重なり
・本格的に近づいてきた米国利上げによるREIT価格への悪影響が懸念され
・全般的にセンチメントが非常に弱くなっていたところ、一部ファンドの大量の売りが、その後の追随売りを誘う
・その後、中国の景気が懸念され日本株も売り込まれるにつれて、J-REITも更に大きく売り込まれた

こんな感じでしょうか。

最後に、予想を次のようにまとめてみます。

・J-REITは、そろそろ底入れする。現在の水準が底値に近い。
・ただし、超悲観シナリオとしては、1,350あたりも覚悟(可能性は極めて低い)

根拠となる要素は、
・2013年の暴落、底入れタイミング(既に暴落は日本株と合わせてみると似たような経過をたどっている)
・予想配当金利回り、イールドスプレッドの水準
・変わっていない不動産のファンダメンタルズ

 

以上です。

最後に、いつも私が申し上げているように、金融経済に関する「予想は当たらない」ということを肝に命じてください。
上記についても、もちろん同じです。
上記の予想は、2013年のタイミングを単純にあてはめただけで、バリュエーションも、なぜその水準なら必ず割安と言えるのか厳密な根拠はありません。
ですので、一つの考え方、方便として、ご自分の予想の参考(反面教師かもしれません)にしていただければと思います。
予想云々よりも、題材を楽しんでお読みいただけたならば幸いです。

 

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