不動産バブルあるいはミニバブルの条件は何か?
2014年の地価公示価格は、3大都市圏で6年振りに上昇したことは皆さんもまだ覚えていらっしゃることと思います。
上昇率は一部の地域を除きまだわずかなものですが、これが、ある程度継続的に上昇していくことは、経済にとっても好ましいことと思われます。なぜならば、不動産価格の先高感から不動産の売買が活性化する、資産価格の上昇にともない消費が増大する、企業や個人の借入が増え投資が誘発されるなどの前向きの事象がおこるからです。
一方で、マイナス材料としては、価格が上がりすぎると逆に個人の購入意欲が衰える、収益性を考えるとJ-REITや不動産ファンドの新規仕入れが難しくなるなどが考えられます。
そのため、不動産価格は継続的に適度な率で上昇していくことが望ましいのです。現在までの上昇率は、この適度な上昇率と言ってもいいと私は思います。もちろん、下落が続く地方に関してはこの議論では考慮外とします。
では、この適度な上昇率が継続的に続く条件、逆の言い方をすれば、これと反対の条件として、不動産価格がバブル的に上がっていく条件あるいは上昇が頭打ちとなる条件としては、どんなことが考えられるでしょうか?
私なりに、次のようにまとめてみました。
【不動産のバブルあるいはミニバブルの条件】
1. 金融政策頼みで企業の利益成長見込み以上に株価が大幅に上昇していく
2. 新興ファンドや新興デベロッパーが参入し、従来の価格体系を壊してしまう
3. 金融機関の融資が前年同月比継続的に5%以上増加を続ける
4. 個人レベルでの不動産投資熱が盛り上がる
5. 東京オリンピックや復興需要を要因とする建築費上昇による不動産価格の上昇が、質を伴った価格上昇と勘違いされる
6. 不動産価格や株価の大幅な上昇を支えるまことしやかなロジックがもてはやされる
【不動産価格の適度な上昇が頭打ちとなるあるいは下落に転じる条件】
1. 株価が下落し、先行き不安が増大する
2. 建築費の上昇により不動産への投資が頭打ちになる
3. 年央に発表されるアベノミクスの第3の矢がやはり内外投資家の失望を買い日本への興味が冷める
4. いわゆる地政学的リスクが顕在化し世界経済全体が萎縮する
5. 中国の経済成長が予想を超えて悪化すること(7%割れなど)がコンセンサスとなる
それぞれ、全てが成り立つことが条件ではなく、これらの相当程度が組み合わされれば発生する可能性は高いと思います。
逆に言うと、上の条件と下の条件の間で、適度に経済が動いていけば、適度な不動産価格の上昇が続くとも言えましょう。
上記の条件を改めて眺めてみると、要は、世界経済と株価、人々の勘違いが全ての根源と言えそうです。
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