リア充・ソロ充と投資物件としてのシェアハウス

皆さん、「ソロ充」という言葉をご存知ですか? 私は実生活が充実していることを指す「リア充」という言葉は知っていましたが、「ソロ充」というのは聞いたことがありませんでした。どうも「ソロ充」というのは、お一人様での生活が充実していることを言うらしいです。国立社会保障・人口問題研究所の2014年「人口統計資料集」によりますと、2010年の生涯未婚率は男性が20%、女性が11%となっています。そして未婚層は現在でも拡大しつつあるようです(以下の内容も含め、ニッセイ基礎研究所「研究員の眼 依然として遅れをとる若年雇用」を参考にした)。理由として、生き方の多様性というものもあるのでしょうが、35歳未満の独身者の9割がいずれ結婚したいと思っているとの調査もあるようですから、多くは、ライフスタイルの問題ではないと思われます。

では原因は何なのでしょうか? 一言で言えば、若年層の年収の低下です。ニッセイ基礎研究所のレポート「若年層の結婚観〜未婚化・晩婚化の一方で若者達は結婚を望んでいる」によれば、男性の既婚率は年収に比例するとのことです。非正規社員が増え、年収300万円未満の男性の数も年々増加しています。同レポートでは、年収300万円未満では既婚率は1割に満たないが、300万円を超えると一気に3倍に跳ね上がると結論付けています。

実は、「ソロ充」でない人が多いので、「ソロ充」という言葉が表れたのかもしれませんね。そして、こうした年収水準の低い若年層向けのサービスの一つとして、シェアハウスなるものが現れてきました。TV番組でも取り上げられたり、今後の不動産投資のトレンドだと言っているような投資家達もいます。気心の合いそうなメンバーと楽しい生活を送れる素晴らしいハウスというイメージが醸し出されていることが多いように思います。

しかしながら、よく考えてみれば落とし穴は一杯あると思います。
まず、入居者サイドで言いますと、家賃負担力がない入居者が集まるため、入居者同士の慰め合いにはなるでしょうがそこから脱出し高みを目指そうとする気力が継続するかという点ではどうでしょうか? また、当初は気が合う人の集まりだったとしてもメンバーの入れ替わりや関係性の変化により状況が変わるケースも多いのではないでしょうか。更に、シェアハウスには、部屋の作りなどが建築基準法や消防法に違反しているような脱法ハウスの存在も多く指摘されています。
一方で、投資家にとっては、一物件に多くの入居者を詰め込めるので、投資額に対する利回りは比較的高く出てくる特性がありますが、一般のマンション・アパート経営とは異なる入居者マネジメントという独特な運営ノウハウが必要となります。また、物件に脱法性がないかの検証も必要です。また、少し老朽化が進むと、入居したい若者は大幅に減り、本当に家賃負担能力の低い入居者だけの集まりになることが予想されます。
もちろん、全てのシェアハウスについて上記が該当するわけではなく、立派に運営されているハウスも多いと思いますが、一時の流行で投資に踏む込む前に、専門家に相談するなどで慎重に検討する必要がある物件タイプであると考えます。

★超簡単!無料簡易資産運用診断のお申込みは、このページの右横にある「無料簡易資産運用診断」のバナーからどうぞ!
★メルマガ(月1〜2回程度発行、無料)のお申し込みは、このページの右横にある「無料メルマガを購読します」欄からどうぞ!

Follow me!