大幅下落中の株価、今後の展開は? – その2

本ブログは、専門家による時事ネタサイト「JIJICO」に2014.10.14に掲載された寄稿コラム(執筆時点2014.10.10午前)の元原稿に、10月14日午前の早い時間の状況を加味し10月14日午前に加筆・修正したものです。

ー 昨日のブログからの続き

【本質的要因の今後は?】
欧州経済については、ECBの限界が見えてきた感もあり、デフレ懸念の後退しない弱い経済状況が続きそうです。一方、米国景気は、多くの経済指標が示す通り今後も世界をリードすることが期待されます。中国経済は、不動産バブルへの対応など微妙ですが、少なくとも年単位で見れば当面7%を下回ることは考え難いと思われます。

為替は、日米景況感の差、真逆の金融政策から、現在の水準を上回る円安(106-107円以上)で推移するでしょう。

FRBの金融政策については、米国経済が堅調に推移する限り良い金利上昇のはずです。利上げの時期等により一時的なマーケットの動揺があっても、ファンダメンタルズに焦点が当たるに伴い、動揺前のラインに回帰することを予想します。

【株価は上昇予想もマーケットは荒れがち】
日本企業の業績についての各種機関の予想は、2014年度が概ね8%前後の経常増益、2015年度は10-12%前後となっています。また、日銀短観の企業の2014年度下期想定為替レートはまだ100.63円/ドルにすぎません。今後、為替要因だけで業績の上方修正が予想されるのは大きなプラス材料です。

予想の前提となる日本経済は、緩やかな景気回復です。強弱両面の経済指標が出ていますが、設備投資の上振れ傾向、先行指標である機械受注の好調、悪天候要因の消滅、冬のボーナス増加などから標準的なシナリオと考えます。

ちなみに、日経平均の PER は、日米のこれまでの相対感からして最近の上限ラインから大きく切り上がることは考え難いでしょう。NISA枠の駆け込み消化、GPIFの資産配分割合の決定なども下支え程度と考えます。
但し、日米両方の株価は、直近まで大幅に下落していることにより、PERも、シラー教授のCAPEレシオも、短期で大きく低下しています。企業業績見通しが大幅に悪化しない限り、元の水準に戻ると考えた方が合理的です。
つまり、今回の株の下げ幅は非常に大きいと言えますが、やはり一時的な調整と考えます。そもそも誰しも上げ過ぎの感があったわけですから、そのまま上げ続けると考えた方に無理があります。

結論として、株価は、年内から年始にかけ恐る恐る10%程度までの企業利益の増益幅を織り込み17,000円程度まで上昇するというシナリオを標準とします。

とは言え、世界経済の脆弱性や国内の消費の弱さなどから、内外ともにマーッケットのセンチメントは非常に弱まっています。12月に行われる消費増税の判断も波乱要因です。
このため、地政学的リスクや短期筋の仕掛けなどにより、株価は上げ下げを繰り返し神経質な展開を見せるでしょう。当然、下振れリスクの可能性も高いと言えます。

最後に、見通しとして上記の標準シナリオを個人的には持ちますが、今回の下げが、マーケットの大きな転換点だったということも、振り返ってみればあるかもしれません。要は、私がいつも言っているように、「アナリスト予想は当たらない」ということで、申し訳ありませんが最後を締めさせていただきます。

JIJOCO記事の該当ページ ⇒ http://jijico.mbp-japan.com/2014/10/14/articles12763.html

 

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