グローバルREIT市場が面白い
日興アセットマネジメントのグローバルREITウィークリー(2月10日発行)によりますと、直近3年間(2011.2.7-2014.2.7)で世界で最もREIT価格が上昇した国は英国で、上昇率は52.3%となっています(現地通貨ベース、以下同じ)。2位は我が日本で49.8%です。この2カ国がダントツでトップを占めています。3位がオーストラリアで35.1%、次に米国の31.4%、カナダの30.7%と続きます。この期間は、米・加、欧州、日本、香港、シンガポール、オーストラリアの全ての国・エリアでプラスの値となっており、グローバル全体でも31.3%と高い伸びを示しています。
なお、直近1年間(2013.2.7-2014.2.7)を見ますと、1位、2位は、英国(28.6%)、日本(24.1)で変わりませんが、3位には欧州(除く英国)が8.8%で続いています。一方でマイナスとなった国もあり、香港がマイナス19.0%、シンガポールがマイナス6.7%とアジアの代表的なREIT市場で下落しています。グローバル全体では4.5%のプラスでした。
上記の3年、1年の各上昇率の違いは、まさしく各国のマーケットサイクルを表しており、リーマンショック後、世界の経済を牽引し不動産取引も相対的に旺盛であったアジア(香港、シンガポール)の不動産マーケットが早期に回復、上昇し、近年バブルを云々されるくらいまで成長していたところ、既に下降期に入ってきたということを示しています。これら2つのアジア市場は、投資適格物件の所在するエリアが狭く供給面で価格が上方にオーバーシュートしやすいという性格を有しています。
逆に、昨年より世界経済の牽引役が新興国から先進国にバトンタッチされるにつれ、出遅れていたエリアである欧州や、景気回復が本格化しつつある米・加、日本が相対的に元気になっていると言えます。
英国は、比較的回復が早かったのですが、中国の投資家が買いに入ったり中東のオイルマネー等も入りやすいことから、未だに上昇を続けています。そろそろ怖い感じになってきているようにも思います。
いずれにしても、直近1年で良かったマーケットが、今後1年もいいという保証はなく、逆に転じる可能性も高いと言えましょう。どういうポートフォリを組んでいくか、各国のマーケケットサイクルの把握、見通しを行うことが非常に重要です。自信がなければ、グローバルREIT指数に連動する商品を買っていれば、プラスにはなると思いますが。