金融庁の役割変化とバブル

本日の日経朝刊「大機小機」を読んで、15年前を思い出しました。記事の出だしは、今の「金融庁」は、1998年に「大蔵省」から分離された「金融監督庁」がその始まり、というものです。それまでは「大蔵省」が、国家のファイナンスのみならず金融検査を含む金融行政全般も担っていたのですが、この年に金融監督の機能が全て「金融監督庁」という新組織に移ったのです。今では懐かしい言葉となりましたが、私は当時、「MOF担(モフタン、大蔵省対応担当者)」としてハードな時期を過ごしていました。この年に、もう「大蔵省」担当でなく「金融監督庁」担当となったのだから、今後は「MOF担」という言葉は使えないなあと、「MOF担」仲間で寂しく語りあったことを思い出しました。その後、この「MOF担」に代わる言葉は、多分産み出されていないのではないかと思います。

それはそれとして「大機小機」が書いている内容は、「金融庁」が最近変質しつつあるように見えるということで、それは安倍政権の成長戦略を金融面から下支えすることが基本的な役割になっているというものです。具体的には次のものが挙げられています。
1. 高成長が見込まれる産業に対する家計の株式投資や銀行の融資の誘導・促進
2. 公的年金資金による株式投資の比率の引き上げを通じた株価の下支え
3. 民間銀行と国際協力銀行、JETROの協力による中小企業のアジア進出支援
4. 銀行が従来以上のリスクを取って中小企業向け貸し出しを増やすためのサポート

「大機小機」も書いていますが、これは、「金融庁」が金融機関の行動を事後的にチェックしジャッジする審判者でなく、金融機関の行動を変化させるコーチになりつつあるというものです。この場合、コーチに従った結果の金融機関の行動の悪しき結果(例えば、不良債権発生、融資の行き過ぎなど)を、同じ組織がどれだけ厳しく審判できるかという大きな問題が発生します。

更に、こうした変化は融資バブル等を発生させる強力な背景となるものです。バブルに関しては、単に物の価格が上がりすぎているという、結果の部分だけに着目するのでなく、こうした行政の行動変化、日銀の行動変化、民間プレーヤーの行動変化などその背景となる現象と合わせて見て、その先行きを予想していく必要があると思います。そうした目で見ると、レベル感は違いますが、ドイツ証券の厚生年金基金幹部への過剰接待なぞは、バブル時代の遺物になったと思っていたのですが、まさしく現在のステージを象徴しているのかもしれませんね。

 

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