不動産期待利回りは引き続き低下、一部でミニバブル時を下回る
シービーアールイー(CBRE)が、2014年第3四半期の不動産投資家調査の結果を発表しました。
同社が公表しているセクター(注)のうち商業(銀座中央通り)を除く全セクターで期待利回りは前期比低下しました。
注)CBREが公表するセクター:オフィス(東京大手町)、オフィス(大阪全体)、オフィス(名古屋全体)、ワンルームマンション(東京主要5区)、ファミリーマンション(東京城南・城西)、商業(銀座中央通り)、ホテル(東京主要5区運営委託型)、マルチテナント型倉庫(首都圏湾岸部))
中でも、オフィス(東京大手町)の期待利回りは今期4%を割り、ミニバブル時の最低水準3.90%まであと5bpsに迫る3.95%まで低下してきています。
ファミリーマンション(東京城南・城西)は、今回、とうとうミニバブル時の最低水準(5.08%)を下回り5.05%となりました。
ワンルームマンション(東京主要5区)も、同最低水準まであと10bps(0.1%)の4.9%まで低下しています。
今回の調査で唯一低下せず横這いとなった商業(銀座中央通り)についても、実は既に4.15%まで低下しており、公表全セクターのうち最も低い期待利回りに貼り付いているのです。
また、同社が期待利回りと合わせて公表している東京AクラスビルのCBRE短観によれば、6つあるDIのうち上昇したのは今期3つにとどまり、そのモーメンタムはまだら模様となり弱まっている様子もうかがえます。
但し、そもそも現在のDIが非常に高い(=良い)水準にあることから、モーメンタムの弱まりは、取引価格や取引量の低下を表すわけではなく、単に良くなったと思う人の割合が低下したというにすぎません。
とは言え、今後のマーケットを占う上では、このようなモーメンタムに投資家の潜在的なセンチメントが表れますので注視すべき動きではあります。
1年先、2年先の先行きを尋ねたDIでは、不動産取引価格、不動産取引量のDIが顕著に低下しており、モーメンタムは一気に弱まることが見て取れます(それでも今と比べ改善していると思う人の割合が高いことに変わりはありませんが)。
このCBREの調査の対象は、デベロッパーやファンド、アセットマネジメント会社や金融機関などプロの不動産投資家です。これとは異なり主に個人が対象となる調査ですが、不動産投資・住宅用物件のマッチングサイト『楽待』を運営するファーストロジックが定期的に行っている調査(同サイトに登録された物件から投資利回りを算定する)によれば、投資利回りは最近では一方向に下がるでもなく上がるでもなく、どちらかというと方向感のない動きになっている感じがします。
プロは、ビジネスを続けなければなりませんから、利回りに関し突っ込んだ動きをせざるを得ないことがありますが、個人は、資金力などの制約がある中で、利回りが低すぎる(=価格が高すぎる)と思えば、待つことができます。このあたりの性格の違いが、最近の投資利回りに出てきているのではないでしょうか。
ここのところの株式マーケットの動きと相通ずるところがあるかもしれません。
最後に、予想めいたことを申し上げますと、プロの方の期待利回りは、確実に、あとわずかには下がるでしょう。
特に、CBREの今回の調査は、日本株のマーケットが大きく調整していた時期が含まれている中での利回り低下ですので、更なる下げはあります。
但し、一方で、その絶対水準を考えると、大きく下げることはないと考えます。
もし大きく下がった場合は、オーバーシュートということです。
個人の方は、既に微妙な段階に来ているのではないでしょうか。
個人投資家の多くは、戦略が持ち切り型でない限り、今が売り時と考える方が多いからです。
皆さんは、物件の購入、売却のタイミングについてどうお考えでしょうか?
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