日本株マーケットの投資家は臆病者揃い?

年始から日本株の値動きが非常に不安定です。昨年末からこれまでに1,855円下げています。昨年まで大いに買い越した外国人投資家の売り、ウクライナ問題の発生、銅価格の暴落から中国の景気の悪化が想定以上に進んでいるという懸念の高まりなど、色々な解説(後講釈?)がなされています。外国人投資家の売りこそ昨年OECD諸国で最も株価の上昇率が高かった日本特有の事情ではありましょうが、その他は全て世界各国共通の課題です。

にもかかわらず、昨年末から先週末3/14までの株価下落率をみますと、日本の-11.5%に対し、米国は-3.1%、英国-2.8%、オーストラリア-0.1%、ドイツ-5.2%、上海-5.3%、インドにいたっては3.0%の上昇となっています。香港こそ、-7.6%と下落がきついものの日本と比べるとまだ4ポイント近くの差があります。

また、日本株の価格が大きく上下にぶれやすくなっているので、いわゆるリスク(リターンの振れ幅の大きさ)が非常に高くなっています。シャープレシオと呼ばれるリスクに見合った収益があがっているかどうかの尺度となる指標をみると、日本株がおよそ1前後と米国株の1.8やドイツ株の1.3などを大きく下回っているという試算もなされています。つまり、日本株は、ブレが大きくて危なっかしい割には、儲けが少ないねというわけです。

日本株の日々の動きをみていますと、概ね前日のNYの株価の動きと当日の円ドル水準で方向感を説明できるようになっています。しかしながら、NYダウが下がった時にはそれ以上に下がり、反発した時には反発度合いがより弱いというネガティブな動きがよく見られます。
また、株価を動かす材料については、米国の注目経済指標が良く出ても、日本国内の悪い材料が探されそちらにより重きが置かれたりすることが多いように思います。さらに、国内の良い材料、例えば国内の注目経済指標が良く出たり、企業業績が2013年度で最高益を更新し2014年度でも10%前後の伸びが見られるなどのファンダメンタルズの良さが決算発表で確認されたり、大企業のベアがいい水準で妥結されても、何かとネガティブな材料を探すか、世界からネガティブな材料をもってくるかで、結局、トータルでは弱いセンチメントが作り出されています。

これらは、外国人投資家の仕掛けによるところが大きいとは思いますが、国内の多くの機関投資家が自分たちの見通し通りには買いに向かっていないという事実を示してもいます。いかにも臆病者のようにみえてしまいますね。このため、日本株マーケットの節目が変わったのか、単なる調整かが判断しにくくなっているのも事実です。

とは言え、これが現実のマーケットですから、個人投資家としてどう対応すればいいかと言えば、いい業績を上げている企業の株を押し目買いするか、株価指数に連動する商品を押し目買いするいいチャンスと捉え、自分の投資目的、投資スタイル、投資期間と照らし合わせつつチャンスを見逃さないことです。

★メルマガ(月1〜2回程度発行、無料)のお申し込みは、このページの右横にある「無料メルマガを購読します」欄からどうぞ!

Follow me!