株式マーケットは誰に何を求めているのか?

本日、日経平均株価が14,100円台でウロウロしています。1月23日の日中の高値15,958円から、本日本ブログ執筆時点までの日中安値14,058円まで何と1,900円(12%)も下げています。逆に、その間、日経平均の予想PERは15.8から14くらいまで大きく低下しています。個別銘柄でも、超国際優良銘柄で決算も良かった日系企業がPER12倍程度で放置されています。
新興国ショックに加え、投資家のリスクオフ姿勢に伴い円が買われ円高方向への巻き返しが進んだこともありますが、企業の実態と業績予想はほとんど変わっていません。もちろん、これだけ株価が下がればマインドが悪くなり今後何がしかの影響が出てくることは確かですが、それでもさすがにちょっと行き過ぎではないでしょうか?

IMFの各国成長率予想でも示されている通り、先進国、新興国、それぞれ懸念材料はあるにしても、それぞれ相応の経済成長が見込まれています。いくつか代表的な懸念材料が、米国テーパリングに伴う新興国への悪影響、中国の予想以上の経済減速、米国経済の成長が予想を大きく下回ること、であったと言えるでしょう。今回は、そのうち仕掛けても抵抗が一番弱そうな懸念材料のうち、最も弱小な国から狙われたと言えるのではないでしょうか? つまり、世界の実態経済自体にはほとんど影響を及ぼさないアルゼンチンペソにあけられた小さな風穴が、懸念が懸念を呼ぶ形で大きな風を呼び込んでしまったという感じです。

これは、本来は実体経済から大きくはずれた下落なので、すぐ収束すると予想します。しかしながら、マーケットはセンチメントで動くので、このまま下落方向にオーバーシュートすることも全くないとは言えません。その時、さしあたりの抵抗線は大台と言う意味で14,000円、そして次に大きな抵抗線になるのは、20年移動平均ではないでしょうか。みずほ証券三浦豊氏によりますと、20年移動平均は13,877円、30年移動平均は16,434円となります。昨年は概ねこの二つの数字の間で株価は動いています。今年は、20年移動平均が下値抵抗線、逆に30年移動平均が上値抵抗線となり、1年を通してみればこの上値抵抗線を超えて上がっていくという見通しでいいのではないかと思います。

では、ここのところのマーケットの動きは誰に何を求めているのでしょうか? それは、この動きがFRB議長がバーナンキからイエレンに変わる直前から直後で起こっていることから想像できます。つまり、マーケットは新議長イエレンを試しているのでしょう。マーケットに迎合することがいいか悪いかは別として、FRBも日銀も、いくつか手だてがあります。FRBは緩和縮小のペースを落とすことができる、日銀は追加緩和策を導入することができる、ということです。そしてマーケットは中央銀行にまさしく今そうした行動を促しているということなのでしょう。
上述の私の予想も、もちろん、これら中央銀行がマーケットとの対話を適切に行えばそうなるという予想です。そして、恐らく中央銀行は少しギクシャクしながらもそのような対話を上手く行うものと思います。

いつぞやのブログでも書きましたが、世界の経済、株式マーケットは、中央銀行頼みということがますます明らかになってきましたね。

 

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