不動産投資のレバレッジ効果について考えてみよう
皆さん、不動産投資のレバレッジという言葉をお聞きになったことがあるでしょうか?
今日は、このレバレッジについて例を挙げてお話しいたします。
レバレッジとは、梃子(てこ)の原理のことです。梃子の原理とは、長い棒を使うことにより、小さな力で大きなものを動かせる、というものでしたよね。不動産投資で、この梃子の原理を応用できます(不動産に限らず全ての投資に成り立ちますが)。
具体例を挙げてみましょう。
物件の属性を下記の通りとします。
★価格 10,000万円(1億円)
★実質利回り 7% (家賃収入から運営管理費などの全ての費用を控除した純収益の物件価格に対する割合)
つまり、純収益は700万円(=10,000×7%)です。
Aさんは、この物件を、頭金(自己資金)5,000万円、借入金5,000万円で購入しました。
借入条件は、借入期間20年、金利3%とします。
Bさんは、頭金1,000万円、借入金9,000万円で購入しました。借入条件は、借入金額以外はAさんと同じです。
Aさんの年間キャッシュフローをみると、純収益700万円ー借入金元利返済額333万円で、約367万円です。
Aさんの投資額(自己資金額)5,000万円に対して、7.3%で回る計算になります。
一方、Bさんの年間キャッシュフローは、純収益700万円ー借入金元利返済額599万円で、約101万円となります。
Bさんの投資額(自己新金額)1,000万円に対する利回りは、10.1%となります。これらの利回りのことをROI(リターン・オン・インベストメント、投下資本利益率)といいます。
ここで明らかになったのは、同じ物件を買っても、借入割合を90%と多くしたBさんの方が、借入割合50%のAさんよりも、ROIが高くなる、つまり投資効率が良くなるということです。梃子の原理の、「長い棒」が「借入金の多さ」、「小さな力で大きなものを動かせる」というのが、「ROIの高さ」と、読み替えることができるのです。
不動産投資本などでは、しきりにレバレッジを効かせなさいと書いてありますよね。
では、レバレッジを効かせるといいことばかりなのでしょうか?
もちろん、そんなことはありません。借入金の割合(これをLTV、ローントウバリューと言います)を高めるのですから、リスクはその分高まります。例を挙げましょう。
上の例で、金利が3ポイント上がり、6%に上昇したとします。
すると、Aさんの年間キャッシュフローは、純収益700万円ー借入金元利返済額430万円で、約270万円となります。
Bさんは、純収益700万円ー借入金元利返済額774万円で、約マイナス74万円となります。
ROIは、Aさんが5.4%、Bさんは、何とマイナスに転落しマイナス7.4%となってしまいました。
Aさんは、7.3%から5.4%に低下したにすぎませんが、Bさんは、10.1%からマイナス7.4%にまで転落してしまいました。
極端な例のように見えますが、これがレバレッジ効果の負の側面なのです。
ですから、フルローンに近い融資を引っ張り、かつ低い変動金利でようやく収支が回っているサラリーマン大家さんがいるとすれば、非常に危険な状態にあるといえるのです。
現時点では、金利は史上最低水準にありますが、今後はアベノミクスによるデフレ脱却に伴う金利上昇や、日本の財政健全化に対する信認低下等による悪い金利の上昇も考えられますので、個人不動産投資家は、今のうちにポートフォリオをチェックしておいた方がいいでしょう。
注)ROIは、プロの投資家ですと、通常、借入の元利金返済前で算出しますが、個人投資家ですと最終のキャッシュフローを重視し、元利金返済後の最終的な手取金額で算出することが多いようですので、ここではそれに倣いました。
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