株式投資未経験者は主観コストが高い?

株式に投資する場合に、個人が認識するコストとして、株式売買手数料、商品を理解する手間、多くの銘柄やファンドの中から自分に合う商品を選択する手間、口座を開設する手間などのコストがあげられます。これら手数料や、手間ひま、時間などのコストに対して、個人がどのように負担を感じているかを主観コストということがあります。この主観コストが高ければ高いほど、個人が株式投資に参入する際の障壁が高いということになります。

ニッセイ基礎研究所が2013年に行った金融商品に関するアンケート調査の中で、株式運用の主観的コストに関する質問が設けられています。「口座開設に手間がかかる」「取引手数料が高い」「商品選択が面倒だ」の3項目に対し、それぞれ「ほとんどそう思わない」から「かなりそう思う」までの6つの選択肢から回答を選んでもらうというものです。
主観コストが一番低いものを1点、一番高いものを6点として、6段階で評点化し平均を取ったものが公表されています。
公表レポートによりますと、次のような結果が出ています。

・証券取引口座の開設には手間がかかる ⇒   株式・株式投信非保有者 3.9  同保有者 3.3

・株式・株式投信の取引手数料は高い      ⇒     株式・株式投信非保有者 4.3  同保有者 3.8

・株式・株式投信の商品選択は面倒だ    ⇒   株式・株式投信非保有者 4.5  同保有者 3.8

(出所:ニッセイ基礎研究所「年金ストラテジー March 2014」)

すなわち、株式・株式投信保有者(=株式投資経験者)の方が、株式・株式投信非保有者(=株式投資未経験)よりも、全てについて主観コストが相当程度低いということが示されています。
当たり前と言えば当たり前ですが、面白いのは、手間ひま・時間に関するもののみならず、実態が客観的に数字に表れている取引手数料についても、経験者の方が主観コストが低いことです。

上記を解釈すると、やはり、投資未経験者・初心者の食わず嫌いの要素が大きいと言えるのではないでしょうか。
NISAの口座開設も、既存口座を持っている人、年齢の高い層の割合が高く、若い人や新たに開設する人がまだまだ少ない状況のようです。

日本においては、金融や投資のリテラシーに関する教育がほとんど行われていないということも上記に関係しているのではないでしょうか?
資産運用は若い頃から始めるに越したことはなく、早く多くの若い人達が個人による運用の大切さに気付くことを期待します。

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