日経平均今年最大の上げの理由と当面の株価注目点

2/18の東京株式市場は今年最大の上げ  ー その理由は?

2月18日の東京株式市場で、日経平均は今年最大の上げ幅450円13銭を記録し終値は14,843.24円となりました。大幅上昇の理由は、日銀が同日の金融政策決定会合で、金融機関への貸出支援基金の規模を2倍に増やすこと等を決定したことが、株式相場に配慮する姿勢を示したとマーケットに受け止められたことによると言われています。

貸出支援基金とは、環境・エネルギー事業など成長が見込まれる分野への投融資を増やした金融機関に低利で資金を供給する「成長基盤強化を支援するための資金供給」と、貸出を増やした金融機関に増加分全額を希望に応じて低利、長期で資金供給する「貸出増加を支援するための資金供給」を合わせた基金のことです。これに関し、本日、日銀金融政策決定会合で決まった具体的な内容は次の通りとなります。

<貸出増加を支援するための資金供給>
(1)受付期限を1年間延長
(2)貸付限度額は金融機関の貸出増加額の2倍相当額
(3)貸付金利は4年固定0.1%。ただし、1年ごとに金融機関のオプションによる期日前返済を認める

<成長基盤強化を支援するための資金供給>
(1)受付期限を1年間延長(本則、ABL特則、小口特則、ドル特則)
(2)本則の総枠を3兆5000億円から7兆円に倍増。対象金融機関ごとの上限を1500億円から1兆円に引き上げ
(3)本則、ABL特則、小口特則について、貸付金利は4年固定0.1%。ただし、1年ごとに金融機関のオプションによる期日前返済を認める

日銀の貸出支援基金拡充策に対する日本の株式市場の評価が甘過ぎないか?
ー 付和雷同の日本の投資家

数字だけを見ると2倍だとか、大幅な引き上げだとか、景気のよい言葉が並んでいますが、要は、金融機関の融資を金利面でサポートするだけのことです。ただでさえ、銀行は貸したくても成長分野や成長企業への融資が上手く出来ておらず資金が余っている中、こうした器を用意しても実態経済に実際有効な資金が回っていくかは別問題でしょう。要は、借りる側に成長事業があるかどうかが重要だからです。恐らく、本日からは、マーケットも、日銀の決定内容を良く吟味しそれほど実効力のあるものでもないなあと気付きだし、18日一日の上げが行き過ぎだと巻き戻す動きが出るかもしれません。
もっとも、私は今の株価が必ずしも高すぎると言っているのではなく、逆に日本経済の回復基調や企業業績の回復度合いを考えればもっと評価されてしかるべきと考えています。ただ、18日のような日銀のリップサービス的な内容に対する他のプレーヤーの動きに追随し、狼狽買いや狼狽売りをしているサラリーマン的な日本の機関投資家達が少し情けないのではないかと思っています。

今後の株価の注目材料

その後は、22日から開催されるG20財務省・中央銀行総裁会議での議論の行方が注目を浴びるでしょう。なぜなら、世界の経済と株式市場は中央銀行頼みとなってしまっているからです。ここでの一番の注目株はFRBイエレン議長で、その対応振りがマーケットから攻撃されるか擁護されるかが見ものです。

その後に私が注目するのは、春闘の行方です。大手の回答期限が切られている3月12日頃が一つの区切りで、ここで良い一発回答が出れば株価に非常にポジティブな影響が出てくると思っています。

 

 

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