NISAの日に見る投信への資金流入状況
皆さん、今日は何の日かご存知でしょうか? バレンタインイブという答えは期待しておりません(笑)。実は2/13ということで、NISA-ニーサ(213)の日となっています。NISAとは、少額貯蓄非課税制度の略称で、年100万円までの投資から得られる売却益や配当・分配金が最長5年間非課税になる制度として、2014年1月からスタートしました(毎度の説明でくどいですが)。英国の個人貯蓄口座ISAを参考にしたため、その日本版ということでNがつきNISAとなったものです。早くも口座数が500万を超える勢いになっています。
では、制度開始後1ヶ月を経過したところで、NISAで何が買われているのかを見てみましょう。
現在、公式の発表データはありませんので、今日は、国際投信投資顧問が推定している内容をご紹介します。
まず、国内投信全体(日本の単位型およびETFを除く追加型投信)の2014年1月の推定純設定(純流入)は、1兆463億円と2007年8月以来の大きな資金純流入となった模様です。このうち、NISA口座経由で投信に流入した資金は300億円程度と同投資顧問では推定しています。日経の記事で、1月のNISAからの資金流入全体の金額は3,000億円との報道があったことから、およそその1割程度が投信に流入したことになります。同投資顧問では、計算上の問題から、実際は300億円を上回っている可能性が高いとしています。思ったより、投信への流入割合が少ない気がします。
では、投信の中では何が人気があったのでしょうか? これも公表データはありません。ただ、各社発表のデータを眺めると、NISA経由と全体では、概ね似たような傾向があるのではないかと言われています。そこで、投信全体(1兆463億円)の中での人気を見てみますと、第1位は、圧倒的に「日本株」で3,260億円、2位は「不動産セクター株(REIT)」で1,641億円、3位が「ハイイールド債」で1,308億円、4位に「米国大型ブレンド株」が970億円でランクインしています。昨年末あたりの金融経済予測のコンセンサスに基づいた資金配分ぶりであるとは言えましょう。つまり、米国の景気回復の本格化、円安の継続などの予測を背景とした日本株の上昇予測、資産価格上昇・稼働向上を期待したREITの上昇予測などです。
もっとも、大発会以降これらの予測がことごとく弱まり株価の低迷が続き出鼻をくじかれたのは、特にNISAで初めて投資を開始した人がいるとしたら痛々しい感じがします。とは言え、NISAは基本的には中期で投資するものですから、単月や数ヶ月のパフォーマンスで一喜一憂することなく大きく構えて欲しいものです。そのためには、投資時に、中期で成長できる銘柄をよくよく吟味して選びたいですね。