世界で不動産バブルの兆し?

我が国REITの2013年不動産取得額が2兆円を超え史上最高額となりそうです。アベノミクス効果もあり日本に注目が集まっていることから海外ファンドの取引が目立っています。国土交通省が3ヶ月毎に調査している全国の「高度利用地地価動向報告(10月調査)」、いわゆる「地価LOOKレポート」でも、地価上昇地点は前回調査より増加しました。全国の調査対象地点全体の71%にあたる地点の地価が、3ヶ月前に比べて上昇しているのです。

一方、米国の住宅価格を表す代表的な指数であるケース・シラー住宅価格指数(9月)は、前年比13.3%上昇し2006年2月以来の大幅な伸びを示しました。更に英国でも、英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)発表の10月の住宅価格指数は57となり、2002年6月以来の高水準を記録しています。中国や東南アジアの不動産価格の上昇は言うに及ばず、各国で不動産の価格が上昇中です。もちろん、先進国では緩やかに景気が回復傾向にあり、新興国でもペースダウンしつつあるとは言え高い経済成長を続けていることは確かです。しかしながら、世界中で政治経済のリスク要因の枚挙に暇がなくダウンサイドリスクも高い中、また世界的なディスインフレ傾向が見られる中、不動産価格がかくも上昇するのはなぜでしょうか?

要因の一つとして、多くの中国企業が、価格の上がりすぎた国内不動産を嫌気し海外に不動産投資の活路を求めていることがあげられると思います。より重要な要因としては、世界的な金余り傾向があげられるでしょう。主要中央銀行の総資産合計は10月末で約1000兆円に達したそうです。今年の増加は、FRBと日銀の資産膨張がその主因ですが、とにかく世界は中央銀行がじゃぶじゃぶに放出したマネーで溢れかえっているのです。これが株式や不動産といったリスク資産に向いているのです。経済の成長を大きく上回って資産価格が上がっていること、過剰流動性が認められること、これらは、バブルの兆しあるいはバブルそのものの発生を示しているものと思います。

私は、今が世界的に不動産バブルのピークであり今後すぐ価格が下落すると言いたいのではありません。逆に、当面は相当の上昇を見せるものと予測します。しかしながら、既に、バブルに突入しているか、少なくともバブルの兆しを見せていると考えており、今後は高値でババをつかまぬようにマーケットをしっかりウオッチすることが重要であると言いたいのです。もしかしたら、目先の効く中国企業の投資を模倣して周辺物件に投資し上手く素早く売り抜けるのが一番巧妙な投資手法かもしれませんね(笑い)

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