不動産投資の出口戦略とは?

不動産投資の世界で、「出口戦略」という言葉が盛んに使われます。
今日は、「出口戦略」についてわかりやすく説明してみましょう。

ウィキペディアによると、「出口戦略とは軍事的もしくは経済的な損害が続く状況から損失・被害を最小限にして撤退する戦略である。」となっています。
もともと、ベトナム戦争時に米国で使われたのが始まりだそうです。これが、戦争だけでなく、経済や投資などの世界でも使われるようになった模様です。

上記の定義では、損害が続く状況からの撤退戦略となっていますが、不動産投資で使う場合は、そうした状況にかかわらず、「想定する保有期間が経過した時の、換金の方法」を指すことが多いです。
つまり、物件を購入して賃貸運営を行うとして、何年保有するのか、そしてその保有期間が過ぎた時にどうやって換金するのか? その方策が出口戦略となります。
広義では、ずっと保有し続けるという策も、一つの出口戦略と言えるでしょう。

では、不動産の代表的な出口戦略にはどのようなものがあるのでしょうか?
以下に、いくつかあげてみました。

1. 計画期間経過後に、稼働できる状態で土地建物を売却する
2. 老朽化などでそのままでは稼働できない状態で土地建物を売却する
3. 建物を取り壊し、更地として売却する
4. 建物を取り壊し、新たに賃貸物件を建てて運営を開始する
5. 計画期間経過後も、稼働賃貸物件としてそのままの姿で(場合によりリニューアルして)、保有継続する

上記1であれば、なるべく稼働がいい状態で、市場価値が落ちないように売却するのが一番です。
この場合、1棟ものであれば、通常は投資家が買い手となりますので、入居者をそのまま(居抜き)で売却するのが効率的です。
とはいえ、それなりに建物が古くなり劣化して、あるいは周辺の環境が変わったりで、なかなかいい値で売れないこともままあります。
借入がある場合は、少なくとも残債を上回る値段で売れないと困りますし、とにかく出口戦略は考えないといけない要素が一杯あって、かなり難しい話なのです。
ずっと先に実施することではありますが、これを投資時にきちっと押さえておかないと大変なことになります。

上記の5つのケースも、それぞれその時点で稼働がいいかどうか、家賃がどのくらい取れているか、建物の管理状況はいいか、地価は購入後どう推移してきたか、売却先候補は実需者か投資家か、売却見込価格は残債以上か、戦略候補案間の収益性比較、などで具体的に何をどう適用するかは大きく異なってきます。

いずれにせよ、不動産投資は、月々の純家賃のレベルだけを見ればいいのでなく、出口時点でのキャッシュフローを予想して、それらを合算した収益をもって、始めて成功か失敗かが測れるのです。
それゆえ、出口戦略は、これを投資時にきっちり考えて予め決めておき、その後もマーケット動向などの状況に応じ適宜見直していくことが非常に重要になります。

戦略をどうたてればよいか、今の戦略で問題ないかなどで悩む場合は、専門家に意見を求めたり分析してもらうことも選択肢の一つになると思います。

 

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