2014年基準地価格から予想する今後の東京の地価の上昇レベル
9月19日に全国の基準地価格が発表されました。
東京都区部では、全用途の対前年変動率は2.6%となりました。都心5区4.8%、その他区1.9%で、いずれも前年より高い上昇率となっています。
そして、全用途の変動率は、全ての区で上昇しています。
上昇率ベストランキングは、中央区6.5%、千代田区5.3%、港区5.0%、渋谷区4.1%です。
やはり、都心3区が圧倒的な強さで上位3位までを占めています。
このような話はどこにでも書いてありますので、ここでは、今後どの程度まで地価が上昇しそうかを、私の独断と偏見でみていきます。
下のグラフは、東京都区部の住宅地と商業地の基準地価格の対前年変動率の推移です。2000年以降のマーケットサイクルが見て取れます。
グラフの2008年や2009年の基準地変動率の動きからわかるように、サブプライム問題やリーマンショックを受けての変動率の下落の角度は急であり、その直後の回復の角度も急でした。
しかしながら、2011年以降の回復については緩やな様子が伺えます。
2000年代半ばのいわゆるミニバブル時には、一旦変動率がプラスに転じてからの上昇角度が急であったのに比べますと、今回は緩やかな感が否めません。
来年には消費税の10%への引き上げを控えておりますし、複数の地政学的リスクの存在や海外経済が今一つ不透明であったりと、リスクテイクに慎重になる要素に事欠きません。
東京オリンピック準備期間中の諸インフラの整備等は、不動産マーケットにはまたとない好材料のはずですが、それだけでは、真っすぐには上昇できないようです。
よって、今後の地価の動きに関しては、2013年から2014年への上昇角度を若干上回る角度で上昇することが見込まれるものの、ミニバブル時の上昇率までは到底到達できず、緩やかな上昇にとどまり、ミニバブルとは言えないレベルの上昇局面となることを、標準シナリオとして考えています。
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