不動産バブルじゃないという理由付けに気をつけよう!

2014年4月8日付けのこのブログで、「不動産バブルあるいはミニバブルの条件は何か?」と題して、いくつかその条件的なものを示しました。
私は、その中の一つとして、「不動産価格や株価の大幅な上昇を支えるまことしやかなロジックがもてはやされる」という項目をあげました。

今日は、ミニバブルの前に、上記に関係してどのような論がなされていたか取り上げてみたいと思います。

下記は、あるメガバンクグループのシンクタンクの2005年6月のレポートに記載があったものからの抜粋ないし要約です(あえてグループ名、レポート名はあげません)。2007年の後半が、ミニバブル時の不動産価格、賃料のピークですから、その2年強前の話とお考えください。

【2005年当時のレポートがバブルでないとする理由】
1.  収益、キャッシュフローがベースになった価格形成が主流になっている
2.  不動産が小口金融商品化したことにより、市場に流動性と厚みが付き市場メカニズムが働きやすくなった
3.  J-REITという不動産市場のベンチマークが存在している
4.  不動産投資の専門家による、投資対象物件とその他の物件を峻別した投資が行われており、不動産市場で健全な二極化・個別化が進んでいる

として、「今後2〜3年は、個別化の動きを伴いつつも市場の底上げ・回復基調は続くとみられる。仮に売却圧力が高まっても市場メカニズムの中で吸収されて不動産市場全体の調整には至らないと考えられる。」などと結んでいます。

いかがでしょう?
結果がわかってしまっている現在から取り上げて、上記レポートの予測間違いをあげつらおうとしているわけではありません。
とは言え、バブルでないとする論拠が薄弱だと思われませんか?
実はこうした内容が、当時、まことしやかに蔓延していたことは事実なのです。
つまり、バブル時には、善かれ悪しかれ、また、意図的であるかないかにかわらず、足元や先行きの価格高を正当化する論拠が受け入れられやすいということが言いたいのです。
よって、そういう理論や意見が大手を振って世の中に通っていても、安心できないばかりか、かえってバブルを疑えということなのです。

「収益とキャッシュフローがベースの価格付け」ならばなぜ大丈夫なのか? 私は全く論拠に乏しいと思います。
収益とキャッシュフローに基づいても、バブル時には、強気のキャッシュフロー予測、アグレッシブな還元利回り・期待利回りの設定がなされるからです。

「不動産が小口金融化する」ことは、オープンなマーケットで金融商品に透明な価格付けがなされやすくなるというメリットがある反面、金融環境の変化などにより価格が上下双方向にオーバーシュートするという問題も容易に想像できます。つまり、バブル生成とその崩壊を助長する働きをすることも考えられるのです。

「J-REITというベンチマークが存在する」にいたっては、本当にどうでもいいことです。
ベンチマークがあればバブルになりにくいのならば、世の中の株式はバブルとはほど遠いということになります。
もちろん、それまで不動産のパフォーマンスを表す有効なベンチマークが存在していなかった中で、J-REITが厚みを増しベンチマーク化することへの期待があったことは事実ですが、そのこととバブル生成とはほとんど全く別物と言えましょう。

最後に「不動産投資の専門家による、投資対象物件とその他の物件を峻別した投資が行われており、不動産市場で健全な二極化・個別化が進んでいる」というのは、思い上がり以外の何ものでもないでしょう。

今般の局面に当てはめてみると、上記4つの全てが今ではそれ以上に該当するので、非常に安心ということになってしまいますが、上述の通り、それぞれ全く意味を持たないので、この結論は受け入れらませんね。

そこで、私なりに考えて4月のブログであげたバブルないしはミニバブルの条件を、再掲しておきます。

【私なりのバブルないしはミニバブルの条件】
1. 金融政策頼みで企業の利益成長見込み以上に株価が大幅に上昇していく
2. 新興ファンドや新興デベロッパーが参入し、従来の価格体系を壊してしまう
3. 金融機関の融資が前年同月比継続的に5%以上増加を続ける
4. 個人レベルでの不動産投資熱が盛り上がる
5. 東京オリンピックや復興需要を要因とする建築費上昇による不動産価格の上昇が、質を伴った価格上昇と勘違いされる
6. 不動産価格や株価の大幅な上昇を支えるまことしやかなロジックがもてはやされる

こんな感じでしょうか。

上記6項目に今があてはまっているかはさておき、上述メガバンクグループのレポートがミニバブルピーク時の2年強前に書かれたことから考えてみましょう。
今次局面では、既に2013年半ば以降から顕著に不動産バブルの兆しへの懸念が云々されています。そこから2年強経過した時点と言えば、2015年の後半となります。
このあたりが、後から振り返ってみたら、「ピークだったね」と回想される可能性は決して低くないように思います。

 

★弊社不動産投資セミナー『ケーススタディで極める不動産投資のコツ – その物件、大丈夫?』2014.12.06開催- の内容確認、お申し込みは下記URLより!
⇒ http://kokucheese.com/event/index/225069/

★メルマガ(月1〜2回程度発行、無料)のお申し込みは、ページ右横にある「無料メルマガを申し込みます」欄からどうぞ!

Follow me!