タワーマンション購入に死角はないのか?

タワーマンションの人気が続いています。首都圏においては、今後3年間の供給も高水準で推移する見込です。

よく言われるタワーマンションのメリットは次のようにまとめることができます。

・眺望が良い
・制振・免震構造など構造上の対策がしっかりしている
・敷地にゆとりがある
・共用施設が充実している
・生活利便施設が整っている
・管理がしっかりしている
・防災、防犯がしっかりしている
・相続税対策になる(不動産一般の節税要因の他、戸当たりの土地持分価格が低い、上層階の価格プレミアムが評価に反映されないので上層階では相対的に価格が安くなる)
・資産価値が落ちない

一方で、デメリットとしては次のようなものが挙げられます。

・価格が高い
・管理費、修繕積立金が高い
・窓を開けられない場合がある
・建物構造上の対策が取られていても地震の際の揺れが大きい
・エレベーターに時間がかかる

概ねこのようなことが言われていますが、メリ・デメを比較すると、購入できるだけ資力がある方にとっては、メリット感が圧倒的に強いということでしょう。では、タワーマンション購入に死角はないのでしょうか?

私は、上記で言われているデメリットの他に、いくつか懸念を持っていることがあります。
それは次の通りです。

・大震災発生時に通常生活回復までに時間がかかる
つまり、地震に対して建物の物理的耐性は強いのですが、エレベーターはほぼ必ず止まりますので、上層階住民は難儀するはずです。水や電気に関してもそうですね。また、湾岸部の一部など地盤の弱いエリアについては、タワーマンション自体は大丈夫であったとしても、周辺のインフラがやられれば同様に生活被害は被ります。

・ことさら節税になっているという説明が正確でない
土地持分価格が安いと言っても、共用部も含めて全部専有持分に按分されているのだから、それが真性の経済価値であることを考えると、ことさら節税になっているという説明は正確ではないでしょう。また、上層階が相対的に安く評価されているということは、その他の階が、その分を販売価格の相対比以上に負担しているということの裏返しになりますので、階層により正反対の状況が発生します。

・資産価値が維持されるかは立地次第
これまでのタワーマンションは、内陸で元々の高級エリアに立地していることがほとんどであり、そうしたマンションの価値は確かに維持されてきたのですが、十把一絡げに人気湾岸エリアと謳いこぞって建設している現在のエリアでもそうかとなると、やはり違うのではないかと思われます。一つは、地盤でしょう。数年内に巨大地震ではなくともそれなりの地震が発生すれば、再度、嫌気されるのは目に見えているのではないでしょうか。もう一つは、アクセスです。湾岸立地の物件は、都心まで物理的な距離は近いのですが、場所により言われているほど交通アクセスが便利でないところもあります。

結論として、タワーマンションのステータスが欲しくて、背伸びして購入するような方は、結果として資産価値が維持されない物件を購入してしまう可能性が高い、と言えるのではないかと思います。

なぜなら、購入価格が手に届くものを選択しますから、エリア的には全体のタワーマンション立地のうち、あまりよろしくない立地のものに手を出す、タワーマンションに住むことがゴールとなりやすく低層階の物件を買うというマインドになりがちです。
結果として、タワーマンションのうちでも、ブランド感の低いものを保有してしまい、かつ相続税評価も上層階の高いマンションの価値の一部を負担するようなことになり、更に震災時には想定を超える生活不便を被るということが起こるのです。

ですので、タワーマンションは、間違っても中途半端に背伸びして買わないこと、あえて逆説的に言えば、もし買うならば、思いっきり背伸びしてトップブランドを選ぶべきです。

 

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