「丸の内」エリアが盛り返してきた? ー 森ビルオフィスニーズ調査より

森ビルが、2014年12月17日、定例の「東京23区オフィスニーズに関する調査」(2014年版)の調査結果を公表しました。
森ビルのまとめから、今回の主な傾向をピックアップすると次のようになります。

・新規賃借面積について、「拡大予定」が前年比3ポイントアップの59%となり3年連続増加

・新規賃借予定の理由について、「業容・人員拡大(38%)」が昨年に続き2年連続でトップ

・同「賃料の安いビル(22%)」は4年連続ポイントが減少し8年ぶり6位に

・移転希望エリアとして、「虎ノ門」「神谷町」「丸の内」「品川駅周辺」など東京オリンピックに向けて再開発や交通インフラの整備計画が発表されたエリアが高いポイントを獲得

オフィスビルの移転について、森ビルの表現からはすごく好転しているように見えますが、よくよく見ると徐々に好転しているにすぎません。
「賃借面積拡大」は数ポイントの上昇にすぎませんし、「業容・人員拡大」は2年連続トップと銘打たれていますが、実は、昨年より2ポイント低下しています。
「賃料の安いビルに移りたい」は確かに、前年比9ポイント低下していますが、この分がどこに行ったかと見ると、一番ポイントが増えたのは、「入居中のオフィスビルの建て替え」となっています。
ですので、確かに好転はしているのですが、「徐々に」という表現がピッタリなのではないかと思います。

今回、私の目を惹いたのは、移転希望エリアとして、「丸の内」が久しぶりにトップに返り咲いたことです。
前年比4ポイント上昇の17ポイントを獲得し「日本橋」を抜いてトップとなりました。
三菱地所が、格付会社により、丸の内凋落を理由に格下げされたり、丸の内凋落論が流行っていますが、やはり底力の強さを見せつけられた感じがします。
地所さんも、凋落するまま放っておくはずがありませんし、建て替え・再開発で出来上がってきているビル群を眺めるとやはり壮観です。

この種のアンケートでは、実際に移れるエリアが回答されているのか、あくまで希望ベースでの回答なのかはうかがい知ることはできませんし、時々のトピックスに引きずられる傾向がありますので、多少、割り引いて見る必要はありますが、人気投票という意味では参考になります。

今回は、今年虎ノ門ヒルズが竣工し、新虎道路のシャンゼリゼ通り化計画などで注目を浴びる「虎ノ門」エリアが人気を得ていますし、新駅ができ周辺の大規模開発が計画されている「品川駅周辺」「田町」「浜松町」エリアなどが、昨年より大きくポイントをあげています。

「品川駅周辺」は「丸の内」の将来の対抗馬として人気を博していますが、私としては、品川周辺はあまり魅力的なレストランがないので、文化が芽生えていい人々が集まってくるにはまだまだかなと思っています(笑)

最後にまとめると、オフィスニーズは徐々に好転している、丸の内エリアはやはり底力を持っており簡単に凋落することはないであろう、の2点が言いたいことでした。

 

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