コンパクトシティは地方のみの話ではなかった

コンパクトシティという言葉をお聞きになったことはあるでしょうか?

Wikipediaによれば、コンパクトシティ(英: Compact City)とは、「都市的土地利用の郊外への拡大を抑制すると同時に中心市街地の活性化が図られた、生活に必要な諸機能が近接した効率的で持続可能な都市、もしくはそれを目指した都市政策のことである。」と定義されています。
日経の用語解説では、「街の中心部に公共投資を集中させ、住宅や商業施設、行政機関を一定の範囲に集約させた都市のこと。具体的には、住民が歩いて日常生活を過ごせる規模の都市作りを目標としている。戦後、国内では郊外に無秩序に市街地が作られ、クルマ社会が形成された。しかし人口減少や国・自治体の財政難で、広範囲の社会基盤整備が難しくなっている。都市機能を集約すれば公共投資を効率化できるほか、車のガソリン使用量なども減り、環境負荷を削減できる。青森市や富山市などが先行事例とされる。」となっています。

元々は、都市が、その中心部から周辺郊外部に無秩序に広がっていくいわゆるスプロール現象への対応策としての概念のようですが、最近は、人口減少により官民の諸施設が分散していては運営が立ち行かなくなることや、人口が点在しかつ高齢化することによる行政側からの不都合と住民側からの不都合を解消する策として注目を浴びています。
コンパクトシティに関する法制化も徐々に進んできています。

このコンパクトシティは、地方のみに該当すると思われている方も多いのではないでしょうか?
実は、東京商工会議所が11月13日にまとめた「2020年以降を見据えた首都・東京の国際競争力強化に関する提言」の中に、取り組むべき中長期的な課題として、このコンパクトシティがあげられているのです。
提言内容は次の通りです。

【都市機能、居住機能の集約化、コンパクト化】
・行政、医療・福祉、商業等、生活に必要な機能を交通拠点(駅周辺)等、 一定の地域に集約する地域構造(コンパクトシティ)への再編が重要
・交通網(道路、鉄道)により各地域のネットワークを維持・強化していくことで、 都市機能に応じた圏域人口を確保していくことが必要

ここでいう一定の地域に集約される側の地域は、23区外とは限られないようです。
つまり東京、そして23区内ですら、コンパクトシティは避けて通れない課題になっているのです。
長期投資となる不動産投資では、このコンパクトシティ化が物件の立地するエリアにどのような影響を与えるのかを冷徹に検討する目が必要になります。
基本は、集約都市に立地する不動産でないと課題が多すぎて難しいということになるでしょう。

 

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