サブリース契約の更新を拒絶する場合も「正当事由」が必要って知ってました?

これは、タイトルの内容そのままでご理解いただけそうなテーマですが、一応解説しておきます。

具体的な事案は、次の通りです。

1. 法人が、居住用マンションの複数フロアをサブリース会社に一括賃貸
2. 物件の人気が想定以上となりエンドユーザーへの転貸料は高額に
3. サブリース会社に賃料の増額請求をするも拒否される
4. サブリース契約の期間満了を機に、更新を拒絶

賃貸人(大家さん)が、期間満了によりサブリース契約を終了させるために、借地借家法の適用による「正当事由」が必要となるかどうかが論点です。
「正当事由」が必要とされると、サブリース契約を終了させることが極めて困難になるため、注目された事案です。

最高裁は、この論点に対し、サブリース契約も賃貸人が賃借人に建物を使用収益させ、賃借人が賃貸人に対しその対価として賃料を支払うという内容であることから、通常の賃貸借契約と同様、借地借家法の適用があると判断しました(平成15年、但し上記の事案ではない)。

そして、上記と同様の事案において、東京地裁は、最高裁の前記判断に従いサブリース契約にも借地借家法の適用があるとし、賃貸人が契約を拒絶するためには「正当事由」が必要であると判断しました。
その上で、賃貸人の更新拒絶は「正当事由」無しとして認めませんでした(平成24年)。

「正当事由」の有無は、次の諸事情等をもとに総合的に判断されることになります。

・建物の賃貸人及び賃借人が建物の使用を必要とする事情
・建物の賃貸借に関する従前の経緯
・建物の利用状況及び建物の現況
・財産上の給付(立退料)

これは、かなり専門的な要素が高いですし、期間満了時のトラブルの元となりそうですので、ステージに応じて弁護士によく相談しておくべき事項ですね。

 

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