リスク調整型投信が相場の下落を加速する
「リスク調整型投信」の人気が徐々に広がりつつあるようです。
「リスク調整型投信」とは、相場の下落リスクが高まると資産を守る運用に切り替えるリスクコントロール型の投資信託のことを言います。リスクコントロール型の投信は、一般の投信よりリスクに焦点を当てて運用します。相場の先行きを察知するのに独自の指標などを用い、軟調な展開を見込めば株式などの投資比率を引き下げ、投信の基準価格が相場全体の変動の影響を受けにくくするのです。
現時点で、純資産総額が大きなリスク調整型投信として、「日興UBSに本株式リスク・コントロール・ファンド(UBSグローバル・アセット・マネジメント)」「日興ブラックロック・ハイ・クオリティ・アロケーションファンド(三井住友アセットマネジメント)」「グローバルアロケーション・オープン(新光投信)」などがあげられます。
現在、恐怖指数といわれるVIX指数は12程度と歴史的に低い水準にあり、マーケットが極めて安定していることを示しています。ただ、逆に、相場が大きく動く前の静けさを表しているかもしれないと不気味さを感じるプレーヤーが増えています。米国株が高値圏にあるとの指摘も多く、もし米国株が大きく下げた場合に、日本株への影響も多大なものとなるため、そうしたリスクに備えたいと考える投資家が増えていることが、こうしたリスク調整型投信が人気を博しつつある要因となっています。地政学的リスクも気になるところですね。
商品特性としては、投資家のニーズに応えた面白い商品だと思います。ただし、下記諸点をよく考えて購入することが必要だと思います。
・販売コスト、信託報酬が高いものが多いため、これらのコストに見合ったメリットがあるかどうか
・投信が採用するリスクを先行的に捉える指標等が、正しく将来の方向性を示すとは限らない
・結果として、相場全体の下げに対して発揮されるプロテクティブ効果の程度が納得いくものになるかはわからない
・上げ相場、膠着相場が続くと、インデックスに負けることが多い
などでしょうか。
また、タイトルに書きましたが、こうした投信の残高が十分に増えた場合において、相場の下落や不安定さを示す先行指標が出た際には、各ファンドが一斉に売却に走ることが予想され、相場の一方向への動きを加速したり早める懸念があります。幸い、現段階では、まだトップの投信でも純資産が1,000億円を少し超えたくらいなので、全体として影響力は小さいと思いますが。
いずれにせよ、人気の投資商品が宣伝されだした時には、前のめりにならず、一旦、自分なりに頭の体操をして、必要な商品かどうかよくよく考えてみる必要があるでしょう。
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