消費増税を乗り越えられるか?
日本の株価があまりパッとしませんが、やはりマーケット参加者が、消費増税を本当に早期に乗り越えられるのかどうか懸念しているというところが大きいのではないでしょうか。そうした懸念材料の上に、更に、ウクライナ問題、イラク問題などの地政学リスクや欧州金融危機再燃懸念などのちょっとしたイベントが起こると、これに敏感に反応する状況が続いているようです。
まずは、政府の公式見解がどうなっているか見てみましょう。7月17日の内閣府「月例経済報告」の総論部分を下に記載しました。
(我が国経済の基調判断)
景気は、緩やかな回復基調が続いており、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動も和らぎつつある。
・個人消費は、一部に弱さが残るものの、持ち直しの動きがみられる。
・設備投資は、増加傾向にあるものの、このところ弱い動きもみられる。
・輸出は、横ばいとなっている。
・生産は、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動の影響もあって、このところ弱含んでいる。
・企業収益は、改善している。企業の業況判断は、慎重となっているものの、改善の兆しもみられる。
・雇用情勢は、着実に改善している。
・消費者物価は、緩やかに上昇している。
先行きについては、当面、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動により一部に弱さが残るものの、次第にその影響が薄れ、各種政策の効果が 発現するなかで、緩やかに回復していくことが期待される。ただし、海外景気の下振れが、引き続き我が国の景気を下押しするリスクとなっている。
以上が「月例経済報告」からの抜粋ですが、要は、一部弱さが見られるものの、順当に行けば景気は緩やかに回復していきますよ、けれども海外にリスク要因があります、といった感じでしょうか。
一方、民間の三菱UFJリサーチ&コンサルティングでは、前回1997年の消費増税の時と今回の各種経済指標(19指標)を増税12ヶ月前からグラフにプロットし比較しています。その結果は、19指標中、今回の方が「悪い」が15、「同じ」が1(新設住宅着工戸数)、「良い」が3(株価、為替、失業率・有効求人倍率)となっています。まとめとして、4月-6月の実質GDP成長率は、7月のESPフォーキャストの予測平均値マイナス4.9%を下回る落ち込みとなる可能性が高く、回復の態様もV字型ではなくL時型に近くなるとしています。
政府月例、三菱UFJリサーチ&コンサルティングのどちかが正しいのでしょうか?
それがわかれば、マーケットも一方向に行っているはずで苦労しませんよね。
もしかしたら、あまり違わない内容を言っているのかもしれませんね(笑い)
どちらも景気は回復するとは思っているようですし、政府も急激とは言っておらず緩やかに回復すると言っています。三菱の方は、L字型に近いと言っています。ある意味、程度問題です。
ただ、個人的には、L字型と言ってしまって、なかなか回復しないイメージの方よりも、緩やかに回復を続けていくというイメージの方が、企業業績の改善や賃金アップの見られるここ当面の日本経済の動きを考えるとシックリくるように思います。
1997年という逼塞感のあった時代より盛り上がっている今の時代の方が、数字上の細かい劣後を跳ね返して元気に動きそうな気がします(笑い)。97年と比べてどうかを見るのも有用でしょうが、今の経済指標が今現在どういうトレンドなのかで見るだけでもいいような気がします。
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