新駅開業の地価への影響は? – その1
本ブログは、専門家による時事ネタコラムのサイト「JIJICO」に2014年10月24日に掲載された寄稿記事のオリジナル原稿です。
東京メトロ日比谷線の新駅設置が、東京メトロ及びUR都市機構から今月正式に発表されました。
新駅(以下、便宜上「虎ノ門新駅」という)は今年5月竣工した超高層ビル「虎ノ門ヒルズ」に直結し、2020年の東京オリンピックまでに共用開始予定です。
また、今年6月には、JR東日本が田町—品川駅間への新駅設置(同、「品川田町新駅」という)を正式発表しています。
こちらも、東京オリンピックまでに暫定開業の予定です。
本ブログでは、新駅開業の不動産価値変動への影響について述べてみます。
まず、新駅設置の影響として、次のような効果があげられます。
- 交通利便性の向上
- 商業・居住ニーズ、ブランド力の顕在化・向上
- 近隣・周辺エリアの整備・開発による複合効果
品川田町新駅では、駅の西側(田町車両基地跡地)に13haの開発可能用地が創出されます。
これ以外にも、周辺では芝浦水再生センター地区街づくり、運河ルネサンス構想など多くの計画が目白押しです。
芝浦地区がバブル時のようにまた脚光を浴びるかもしれません。
また、新駅は、田町駅から約1.3km、品川駅から約0.9kmに所在するため、泉岳寺駅のみが最寄り駅であった付近の居住エリアの交通利便性はかなり高まるはずです。
ちなみに、当エリア周辺は、東京都により、優良な開発や都市基盤整備を誘導するため「東京サウスゲート」計画として構想されており、その期待値は高いと言えましょう。
品川駅がリニア中央新幹線の始発駅になることも、このエリアを発展させる要素の一つとなるでしょう。
虎ノ門新駅については、霞ヶ関—神谷町駅間の距離は約1.3kmと、田町—品川間ほど離れていませんので、交通利便性が高まるとはいえ恩恵を受けるのはごく一部のオフィスビルに限られます。
しかしながら、このエリアの目玉は、「新虎道路(環状2号線)」を、パリのシャンゼリゼ通りのようにする計画です。
これが実現すれば、オフィスワーカーのみならず、ショッピングや飲食などで憩いを求める人々が集まるエリアにもなります。
このエリアが、インターナショナルスクールや外国人向け医療施設等を備えた職住近接型の国際新都心に化けるかどうかは、森ビルの頑張りにかかっています。
どちらも、新駅設置に加え広い範囲での開発が予定されており、成功すればその効果は大きそうです。
ー 次回に続く(地価の上昇率をズバリ予測)
ご参考)JIJICOの掲載ページURL ⇒ http://jijico.mbp-japan.com/2014/10/24/articles12956.html
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