来年解禁「物価連動国債」はいい商品か? – その2
(前回ブログからの続き)
変動という意味では、既に、個人向けのものとして変動10年国債がありますが、こちらは、6ヶ月毎に適用利率が変わる変動金利型の商品であり元金は変わりません。適用利率は10年固定利付国債の実勢金利に連動して決まります。よって、物価連動国債と10年変動国債との大きな違いは、元金が変動するのか適用金利が変動するのかの違いと、連動する対象が、コアCPIか10年固定利付国債の実勢金利かの違いと言えます。
では、物価連動国債は、個人投資家にとってどんなメリットがあるのでしょうか?
- インフレヘッジ機能が期待できます。もちろん、株式、REIT、実物不動産などもインフレヘッジ機能があると言われていますが、物価連動国債は直接物価に連動するところがわかりやすいと言えましょう。
- 昨年発行分より元本保証が付きましたので、リスクを抑えたい人には向いていると思います。この元本保証は特筆すべきメリットといえます。
- リスク分散のための分散投資の一資産として考えることができます。
- これまで個人が物価連動国債に投資しようと思っても、それを組み入れた投信を通じてしかできなかったところが、直接投資できるようになりますので、投信を購入し保有する場合の信託報酬コスト等がかからなくなくなります。
このため、今後、中長期でみてインフレが進むと考える投資家には、もってこいの商品特性を備えていると言えるでしょう。また、10年変動国債との比較では、国債金利を上回って物価が上昇していくと考える投資家には、物価連動国債の方が投資に相応しい商品となります。いわゆる金融抑圧政策(公的債務負担の圧縮を目的として、人為的に金利を低く抑え込む政策)が取られた場合にこうした状況が起こりやすくなります。
但し、もちろんリスクはあります。
- コアCPIが低下し、想定元本が減り、受け取る金利が減少するリスク
- 通常の債券と同様に、市場金利の上昇により価格が下落するリスク
- 流通量が少ないことによる流動性リスク
などがあげられます。
ちなみに、今回の制度変更は、個人向けに新たな商品が発行されるわけではなく、従来から法人向けに発行されていたものが個人にも解禁されるというものです。解禁はまだ先ですので、商品特性をよく理解した上で、今後具体化する発行要項等を確認し、投資の是非を検討してみてはいかがでしょうか。
注)本ブログは、専門家による時事ネタコラムのサイト「JIJICO」に5月21日に掲載された寄稿記事のオリジナル原稿です。
ご参考:「JIJICO」該当記事URL – http://jijico.mbp-japan.com/2014/05/21/articles9886.html
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