マイナンバー制度はいつから始まる?
皆さん、マイナンバー制度がいつから始まるか? いやその前に、そもそもそれはどういう制度なのかをご存知でしょうか?
「マイナンバー制度」は、日本語では「社会保障・税番号制度」と称しているようです(内閣府HPより)。その他では、「共通番号制度」「国民総背番号制度」などと称する場合もあります。
内容の前に、まず、現在どういう状況にあるかを示します。
2013年5月 「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律 」及び関連法案成立
2014年1月 「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律施行令(仮称)案」に関するパブリックコメント受付開始
2014年〜2015年 関連省令整備、個人情報保護の規則・指針などの整備
2015年秋頃 市町村から国民に「通知カード」郵送、希望者には顔写真付きの「個人番号カード」を交付
2016年1月 マイナンバー利用開始
マイナンバー制度とは、要するに、国民一人一人に唯一特定可能な一つの番号を付与し、この番号に基づき概ね全ての行政手続きを提供するということです。考えられるメリットとして、次の項目があげられています(内閣府資料より)。
- より正確な所得把握が可能となり、社会保障や税の給付と負担の公平化が図られる
- 真に手を差し伸べるべき者を見つけることが可能となる
- 大災害時における真に手を差し伸べるべき者に対する積極的な支援に活用できる
- 社会保障や税に係る各種行政事務の効率化が図られる
- ITを活用することにより添付書類が不要となる等、国民の利便性が向上する
- 行政機関から国民にプッシュ型の行政サービスを行うことが可能となる
つまり、国民の側からは、これまでは、一つの手続きを行うのに他の役所・部署から色々な書類を取り付けた上で申請するなど非常に煩雑な側面がありましたが、マイナンバー制度の導入によりそれらの手間が省け行政事務も効率化されスピーディにサービス提供を受けられるようになります(分野例:年金、雇用保険、健康保険等医療保険、税務、学資ローン、公営住宅、災害対策等々)。また、過去には年金の記録漏れなどの大きな問題がありましたが、今後はこうした問題の被害を被らなくなるということも言えるでしょう。
一方で、ネガティブな要因としては、個人情報保護の問題、特に番号が漏洩し悪用される問題などがあげられます。
いずれにしても、まだあまり大きなテーマとして表れてきていませんが、私達にとって大きな影響が生じることは確かです。
政府の側からは、税の捕捉率を限りなく100%にしたいという悲願の制度でもあります。
そこで気を付けないといけないのは、(皆さんにはもちろんこのようなことはないと思いますが) これまで税務申告等で、ここまでは捕捉されていないであろうから未申告でいいやとか、担当部局が異なり連携できていないであろうから未申告でいいやなどということは限りなく不可能になるということです。行政各機関間でシステムを通じマイナンバーで引っ張れば、あらゆる個人データが明らかになります。それは、公平性の観点からは非常に望ましいことです。逆に、もし上述のような不適切な申告等を行っている人にとっては、ちょっと不都合な制度でありましょう。
税を逃れたアングラ的な投資マネーが日本でどこまであるのかはわかりませんが、この制度が投資マーケットに影響しないことを期待します。
★メルマガ(月1〜2回程度発行、無料)のお申し込みは、このページの右横にある「無料メルマガを購読します」欄からどうぞ!