タイトルが間違っていると思われたのではないでしょうか?
これは、以下にご紹介する二つの調査レポートの結果からきているもので、決して間違っているわけではないのです。

エコノミスト誌:Safe Cities Index 2015 White Paperによる世界安全都市ランキング

エコノミスト誌の調査部門であるエコノミスト・インテリジェンス・ユニットが今年1月に公表したレポート「Safe Cities Index 2015 White Paper」によりますと、東京が、世界で最も安全な都市にランキングされました。
この調査は、世界の主要50都市を調査し、「サイバーセキュリティ」「医療・健康環境の安全性」「インフラの安全性」「個人の安全性」の4つのカテゴリーについて、それぞれ多くの定量項目、定性項目を分析し、カテゴリー毎の順位とそれらを総合した総合順位を公表しているものです。

総合順位は次の通りです。
1位 東京
2位 シンガポール
3位 大阪
4位 ストックホルム
5位 アムステルダム
6位 シドニー
7位 チューリヒ
8位 トロント
9位 メルボルン
10位 ニューヨーク

東京は、カテゴリー別では、「サイバーセキュリティ」で1位、「医療・健康環境の安全性」で8位、「インフラの安全性」で5位、「個人の安全性」で3位といずれもベスト10入りし、総合でNO.1となったものです。

蛇足ですが、この調査では、統計データ等で分析されたこの総合ランキングとは別に、体感的な安全性のランキングも公表しているのですが、この体感上のランキングでは、なんと大阪が世界で最も安全と思われているそうです。
大阪出身の私としては、嬉しいような面映ゆいような微妙な気分です(笑)

スイス・リー社による世界自然災害危険都市ランキング

一方、少し古い話になりますが、2013年にスイスの再保険会社スイス・リー社がまとめた「リスクの心得:自然災害の脅威にさらされる都市のグローバルランキング」では、世界616都市中、東京は、横浜と並び世界第1位の危険な都市として報告されています。
地震活動が活発な地域に位置していることや、津波の危険性が高いことなどが背景にあげられています。

このレポートによる世界順位は次の通りです。
—5つの危険(洪水、嵐、高潮、地震、津波)すべてに影響を受ける可能性のある人々が最も多い都市—
1位 東京・横浜
2位 マニラ
3位 珠江デルタ
4位 大阪・神戸
5位 ジャカルタ
6位 名古屋
7位 コルカタ
8位 上海
9位 ロサンゼルス
10位 テヘラン

同じようなテーマでも判定方法によりランキング結果は異なる

同じようなテーマ・内容を扱った世界ランキングでも、判定の仕方により順位が異なることは多いのですが(例えば、都市の魅力度ランキングなど)、ここで取り上げた危険度ランキングのように真逆の順位になることは稀です。
もちろん、片やインフラや健康、盗難や暴力などの危険性を取り上げ、片や自然災害のリスクのみを取り上げていますので、順位は異なって当たり前です。

とは言え、今回公表されたエコノミスト・インテリジェンス・ユニットによるレポートにおいては、英文のメソドロジーを読んでも、自然災害に関する判定項目は一つも見当たりません。
確率的にどのように起こるかわからない自然災害は、折り込みようがなかったとも言えましょうし、もしかしたらスポンサーが日本企業なので、上手いこと自然災害を判定項目に含ませないように誘導できたのかもしれません(この文には根拠はありません)。

公平を期すために申し上げておきますと、同英文レポートでも、東京の項で、地震等の災害可能性でスイス・リー社が東京を世界で最も危険な都市にランクしたことは述べています。
ただし、それがどうこのランキングに影響を及ぼしているかは述べていません(前述の通り、判定項目に自然災害がないので一切考慮されていないと思われます)。
代わりに、東京は、地震は起こりやすいが、ソフィスティケートされた災害に強い街造りに努めていると述べるにとどめています。

言いたいこと

私は、東京の安全性(逆に言えば危険性)に関し、上記2つのレポートのどちらか一方が正しく一方が間違っていると言いたいわけではありません。
どちらも、各々のメソドロジーにおいて正しいのだと思います。
そうではなく、私がこのブログで申し上げたかったことは、次の3点に集約されます

1. 同じようなテーマ・内容を扱ったランキングでも、判定の仕方により順位が大きく異なることが多いので、自分がそのランキングを使う目的に応じて、最も目的にフィットするものを採用するか、総合的に考える癖をつけよう。

2. ランキングをチェックする時は、どのような項目がどのような方法で評価され、どのような比重で織り込まれているかを見極めよう。つまり、ランキング結果に至るまでの中身を知ろう。

3. ランキングを行った主体あるいはそのスポンサーがどのような特性を持ち、どのような位置付けにあるかをチェックしよう。恣意的に結果を捻じ曲げることは少ないであろうが、知らず知らずにバイアスがかかっていることは大いにありうる。

以上、資産運用、不動産投資を行う際の、各種データの見方にもつながりますので、ご参考になれば幸いです。

 

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