カジノ誘致が不動産価格に及ぼす影響 ー その2
昨日のブログの続きです。(専門家による時事ネタコラムのサイト「JIJICO」に8月25日に掲載された寄稿記事のオリジナル原稿です。)
では、こうして盛り上がっているカジノ誘致は、不動産価格にどのような影響を及ぼすのでしょうか?
1つの施設の完成が大きく地価上昇に影響を与えた直近の例として、東京スカイツリーのケースを見てみましょう。同じ墨田区内で、スカイツリーによる影響が顕著であった押上の商業地の公示地価の上昇率と、相対的に影響を受けなかった両国を比べます。前者は、2010年1月の公示地価を底として、スカイツリー開業(2012年5月)の2年ほど前から上昇に転じています。一方、後者は2012年の公示まで下落が続き、2013年に横ばい、2014年になってようやく上昇しました。結果、2010年から2014年までの上昇率は、押上で15.5%、両国でマイナス1.8%となりました。大雑把な議論ではありますが、スカイツリー効果による地価上昇は、17%強であったといえましょう。
但し、カジノの1施設当たりの予想市場規模は前記より3−4千億円、スカイツリーの売上げは326億円ですので、市場規模インパクトはカジノの方が10倍程度大きいといえます。もしカジノ候補地が押上と同程度の経済規模であればという前提ですが。仮にお台場を例に取れば、既に観光地化しており、かつビジネス地区でもあり多数の訪問者が存在しますので、相対的なインパクトは、スカイツリーの例と同等とみてもそう大きく間違ってはいないでしょう。
カジノ誘致は、誘致地区が既に成熟した都市エリアであったとしても、その集客効果、経済波及効果により、商業地については、間違いなく地価が上昇するでしょうし、その水準は、影響の及ばない周辺の土地よりも2割近く高くなることが考えられます。もし、成熟度の低いエリアであれば、これを上回る上昇率となるでしょう。ただし、いずれも面的な広がりは見られないと思われます。
一方で、住宅地については、カジノがあることの直接のメリットは、交通インフラが整備される場合などに限られ、かえって治安不安や住環境の悪化を懸念する住民が増えそうであり、地価に関してほぼ中立となるものと予想します。
ご参考)JIJOCO掲載記事URL http://jijico.mbp-japan.com/2014/08/25/articles11799.html
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