平成26年度相続税路線価から時価を求めてみよう

昨日7月1日に国税庁から相続税路線価が発表されました。新聞などのメディアから個人のブログまで路線価が前年と比べどのくらい上昇したあるいは下落した、最高路線価で最も上昇率が高かったのはどの地点で下落率が高かったのはどの地点だとかの記事が多数見られます。

毎年思うのですが、この相続税路線価というのは、遡ること半年前の1月1日時点の公示価格に連動しているため、既に公示価格が発表された3月にはその動きが読めているわけですので、7月段階でなぜそんなに騒ぐのかが不思議でなりません(笑)
相続税路線価の評価時点を公示価格と揃え(前年7月1日から当年1月1日へ)かつその評価額を公示価格の一定割合(8割)とすることが定められたのは平成4年分の評価からですので、その前年までは、相続税路線価は公示価格と異なるものとして話題性があったと言えましょうが、その後は、恐らくその変更された事実をあえて無視して単なる年中行事として記事にしているだけのように思われます。

私たちにとって重要なのは、この発表により個別土地の評価において正確な相続税評価が可能となることであり、あるいはこの路線価図を見れば、即座に時価に近い価格がわかるということでしょう。

時価の把握に関しては、具体的には、調べたい土地の路線価図を国税庁のHPから開き、対象地の正面路線価(対象地に接する各道路の路線価のうち最も高い路線価)を把握することが第一歩です。細かくは、接道状況や奥行き、地形などによる補正が必要な場合がありますが、仮に整形地(標準的で整った地形の土地)で補正が必要ない土地だとすれば、この価格を0.8で割れば、とりあえずの時価(公示価格ベース)がでます。路線価図上の単位は千円/㎡ですから、路線価に600と表示があり地積(対象地の面積)が200㎡であれば、暫定時価は1億2千万円となります。ただし、時価をその時点での想定取引価格と定義すると、もちろん公示価格が時価を直接的に表していないことがあります。

路線価が上昇しているような地点では、公的評価や鑑定評価が上昇へキャッチアップするのは遅くなりがちですから、上記で算出した価格より強めに、逆に下落しているような地点では弱めに算出するのがコツです。

いずれにしても、路線価は土地の価格を調べる最強のツールですので、相続税評価のみならず、資産価値把握、購入候補物件の価格の把握などに是非活用してみましょう。

 

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