セミプロが予測した今後の不動産投資市場

■ 健美家アンケートで不動産の買い時、売り時はいつ?

不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家(けんびや)」が、会員を対象にしたアンケート「不動産投資に関する意識調査(第3回)」の調査結果を6月4日に公表しました。

その中で、買い時、売り時がいつまでだと思うかという設問があり興味深かったのでご紹介します。

その前にまずこの調査では、そもそも、今が買い時と思う人は全体の18%にすぎず、売り時と思う人が49%とほぼ半数を占めていることを申し上げておきます(どちらともいえないが33%)。
下記の回答占率は、あくまでそれぞれ買い時、売り時と答えた人のみがその時期を回答していることにご注意ください。

<買い時>

今年いっぱい   13%
2016年     11%(累計 24%)
2017年     20%(累計 44%)
2018年      8%(累計 52%)
2019年      6%(累計 58%)
2020年     35%(累計 93%)
2021年以降    1%(累計 94%)
その他       6%(累計100%)
<売り時>

今年いっぱい   15%
2016年     13%(累計 28%)
2017年     18%(累計 46%)
2018年     14%(累計 59%)
2019年     11%(累計 71%)
2020年     25%(累計 96%)
2021年以降    0%(累計 96%)
その他       4%(累計100%)

いかがでしょうか?

■ 売り時の結果が異なる二つのアンケート

まずは、買い時についてです。

今が買い時と考えている人自体が少数派なのですが、そのうち半数以上の方が買い時は2018年までに終わると考えています。
ただし、35%の人が買い時は2020年(東京オリンピック開催年)まで続くと予想しており、二極化していると言えます。

次に、売り時についてですが、2017年まで続くと回答した人(2015年、2016年までを含む)が、46%と半数近くにのぼります。
2018年までとするとほぼ6割となります。
一方で、2020年まで売り時が続くと考える人も25%存在します。

今年1月に公表されたニッセイ基礎研究所の不動産投資のプロ向けアンケート調査では、2017年までに不動産価格のピークが来ると回答した人の占率が75%を超えていました。
これらの人を含め、オリンピック開催の前年2019年までにピークが来ると回答した人は全体の96%にのぼりました。

上記健美家のアンケート結果とは顕著な差が出ており非常に面白いと思います。

■ 結果が異なる3つの理由

この理由として、いくつか考えられます。

一つは、ニッセイ基礎研究所のアンケート対象者は、不動産ファンド、金融機関、アセットマネジメント会社、不動産会社、デベロッパー等の不動産の専門職業家たる個人である一方、健美家の方は、個人の不動産投資家、大家さん、投資家予備軍などの言わばセミプロあるいは素人に近い方であり、マーッケトに対する感応度や調査力が違うという点です。

次に、それぞれが扱う不動産の種類や規模、エリアが違うので、対象不動産自体のマーケット感応度が違うという点です。

最後に、ニッセイ基礎研究所の設問は、ズバリ「不動産価格のピーク時期」であるのに対し、健美家の方は、「売り時」「買い時」です。
「売り時」が必ずしも価格のピーク時期とは言えないということもあるでしょう。

いずれにせよ、上記のアンケート結果は大いに参考になります。

これらは、まさしく、今年の3月20日に私が書いたブログの内容(下記抜粋文ご参照)を十分サポートするものになっていると考えます。

「不動産価格のピーク時期は、プロのプレーヤーが投資対象とする不動産とセミプロ的な個人投資家等が投資対象とする不動産、一般個人が購入対象とする不動産で、そのピーク時期はズレる(後者になるほど後ずれしやすい)点を追記しておきます。例えば、2015年不動産価格ピーク到来説は、プロのうちでも感度の高いプロの扱う物件やそうしたプレーヤー自体の投資行動を指して予想したものと考えていただいたほうが良さそうです。」
(全文は下記2015.03.20付ブログのURLからご参照)

■ 将来は誰にもわからない ー 予想が外れた時の対応が投資の要

とは言え、将来のマーケットは誰にもわかりません。

予想は外れます。

標準シナリオとして自分の予想を立てておくことは非常に重要であり必須と言えますが、外れた時にいかに対処できるかが肝となります。

現在、投資(購入)を考えている人は、エリアや物件の判断を行うのはもちろんですが、タイミングや収支(借入条件含む)などを、いくつかのシナリオに基づいて組み立て、総合的に判断し決断することが大切です。

これらについて、専門家の判断・意見を求め参考にするのも一つの有力な方法です。

 

<参考関連ブログ>

・2015.03.20「平成27年地価公示から占う今後の不動産価格推移のシナリオ(東京)」

平成27年地価公示から占う今後の不動産価格推移のシナリオ(東京)

・2015.02.06「不動産価格は近々ピークを打つ見通し − 不動産投資のプロたちの予測」

不動産価格は近々ピークを打つ見通し − 不動産投資のプロたちの予測

 

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