日銀のレポートからみる不動産バブル判定要因

日銀の金融システムレポート2014年10月号に「不動産市況の状況について」という項目があり、そこに不動産市場の最近の動向についての分析とコメントが記載されていました。
結論として、「不動産市場では、個別にみれば高額物件の取引なども増加傾向にあるとはいえ、全体としてみれば、これまでのところ過熱感はみられていないと評価される。」とされています。

ここで、同レポートの中で上記の結論を導き出すために分析されている主な項目をまとめてみます。
ある意味、これらをチェックしていれば、不動産市場の過熱感の有無、言い換えればバブル状態である可能性の有無を発見できると言えましょう。

1. 不動産業の業況判断DI vs 全産業の業況判断DI
不動産業の業況判断DIが突出して良すぎる。 ⇒ この場合、バブル可能性が高まります(以下、同じ)。

2. 大規模土地取引件数
大きく増加している。

3. 地価公示商業地地価上昇率の分布
上位上昇率への分布が広がる。

4. 商業用不動産の個別物件取引額の分布
高額物件への分布が広がる。

5. J-REITキャップレート
ミニバブル時水準との比較で近づく。

6. 金融機関の不動産業貸出
貸出金の前年同月比伸び率が高まる。

以上ですが、これらの分析結果を踏まえて、冒頭の結論に至ったということです。
詳細は、日銀の金融システムレポートをご覧下さい。⇒ https://www.boj.or.jp/research/brp/fsr/fsr141017.htm/

ちなみに、私が考える(ミニ)バブルの条件として、従来より下記各項目をあげていますのでご紹介します。
表現は異なるものの、上記日銀の分析項目と多くが重なったり似通ったりはしています。

【私なりのバブルないしはミニバブルの条件】
1. 金融政策頼みで企業の利益成長見込み以上に株価が大幅に上昇していく
2. 新興ファンドや新興デベロッパーが参入し、従来の価格体系を壊してしまう
3. 金融機関の融資が前年同月比継続的に5%以上増加を続ける
4. 個人レベルでの不動産投資熱が盛り上がる
5. 東京オリンピックや復興需要を要因とする建築費上昇による不動産価格の上昇が、質を伴った価格上昇と勘違いされる
6. 不動産価格や株価の大幅な上昇を支えるまことしやかなロジックがもてはやされる 

最後に、日銀のレポートで気になるのは、2番の大規模土地取引件数のデータで、生産施設(この中には物流施設が含まれる)の件数が突出して上がってきていること、住宅地については上昇の後、既に減少傾向を示していることです。
これらが、物流施設への局地的バブル発生や住宅価格の先行下落という方向性を示すものかどうかが気になるのです。
十分あり得るのかなと思っています。

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