首都圏新築マンションPERからみるマンション価格の動向

10月30日に、東京カンテイが「2014年新築マンションPER」を発表しました。
新築マンションPERとは、「マンション価格が、同じ駅勢圏のマンション賃料の何年分に相当するかを求めた値」と定義付けされています。
つまり、マンション価格 / 年間マンション賃料 で計算されるということですね。

これによりますと、首都圏の平均で24.99となり、前年2013年と比べほぼ1年長期化しています。
同社によれば、今年の特徴は、近郊エリアのターミナル駅で強気な価格設定が目立ち収益性が低下していること(逆に言えば、PERが上昇)、郊外エリアに立地し月額賃料が10万円前後(ちなみに、同社では、70㎡換算で考えています)の駅では、大手デベロッパーの物件や駅近立地の物件が分譲された結果、賃料見合いで割高な価格設定となっている(同じくPERが上昇)こと、となります。

では、過去の首都圏新築マンションPERはどのような値を取っていたのでしょうか?
同社の別のレポートと照らし合わせてみると、次のとおりとなっています。

2006年 22.88
2007年 算出せず?
2008年 26.39
2009年 25.40
2010年 25.18
2011年 23.75
2012年 23.83
2013年 23.98
2014年 24.99
出所)東京カンテイ 2010年7月29日付及び2014年10月30日付プレスリリース

恐らく、2008年の26.39が、ミニバブル時のピークではないでしょうか?
2014年は、まだその水準までは行っていませんが、建築費の高騰が続いている一方、賃料の上昇は顕著ではないので、2015年には当時の水準近くまで到達している可能性があるでしょう。

マンションPERからみても、来年あたりがマンション価格のピークとなる可能性が高いと言えそうです。

いずれにせよ、マンションPERからみて、新築マンションは、良い投資対象ではないことがわかります。
マンションPERは、逆数を取るとマンション表面利回りとなります。
2014年では、表面利回り4.0%ということです。

単純に、試算してみましょう。
例えば、借入期間30年、自己資金2割、借入金利固定3%とすれば、毎年の元利均等返済額は、物件価格の4.05%となります。
一方で、4%の表面利回りのうち、コストを引いた後の純利回りがその9割相当あるとしても、純利回りは3.6%です。
3.6%では、4.05%を賄えないことは容易にわかりますね。

住居の購入は、収益性だけでなく、保有することの喜び・安心感や環境を買うという部分が大きいとはいえますが、それでも限度があるでしょう。
マンションPERのトレンドを押さえておくことは、不動産のマーケットサイクルを考える上で一つの材料となることは確かです。

 

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