国土交通省「土地取引動向調査」から予想する今後の地価動向

国土交通省が半期毎に調査・発表している「土地取引動向調査」(土地取引状況の判断・予想に関するDI)というものがあります。
これは、上場企業及び資本金10億円以上の非上場企業にアンケート調査を行い、その結果をDI(ディフージョン・インデックス)の形で公表するものです。

アンケートでは、現在及び1年後の土地取引について、「活発」・「不活発」・「どちらでもない」から選択してもらい、活発と回答した割合から不活発と回答した割合を控除してDIを算出します。DIがゼロを超えていれば活発と回答した企業の方が多く、マイナスとなれば、不活発と回答した企業の方が多いことになります。つまり、ゼロが、状況判断の分かれ目になるのです。
その他の設問としては、現在の地価水準について「高い」・「低い」・「適正」から選択、1年後の地価動向について「上昇」・「下落」・「横ばい」から選択してもらうものなどがあります。

これらの結果を表したグラフを眺めていますと、「1年後の土地取引状況」についてのDIが、回答時点の地価の変動の方向をよく表しているように思われます。「取引状況に関する1年先の先行的な指標が現在の地価の動向を表す」と言ってもピントこないところがありますが、逆に、地価そのものについて聞いたDIは、どちらかというと実際の地価の動きに遅行しているようです。1年後の地価動向のDIも同様です。

そこで、ここでは、東京の「1年後の土地取引状況」のDIが直近の調査(2014年8月調査、公表10月24日)でどうなっているかを見ていきます。
DIは、前回調査(2014年2月)からほぼ横ばいのプラス31.8となっています。2013年2月からプラスに転じていますので、プラス化4期目(半期×4期)で、横ばいとなりました。ミニバブル時には、ほぼ横ばい(ピーク時DIは46.9で前期比若干は上昇していた)となって2期目でマイナスに転じました。このマイナスに転じた時期が、概ね地価が下落した時期にあたります。

これを今回に当てはめますと、2期後となる1年後の今頃は、地価が下落に転じてもおかしくないということです。
DIの絶対水準は、ミニバブル時と比べ、まだ約15ポイントも低いのですが、世界経済、日本経済の足腰が弱いことを考えますと、十分あり得るシナリオです。

私は、このシナリオを現在の標準シナリオと考えています。

注) 同調査の取引状況の判断・予想における「東京」とは、アンケート回答企業の本社所在地によっているので、必ずしも回答企業が東京の土地について回答しているのかどうかは不分明ですが、ここでは過去の同DIのトレンドを東京の地価のトレンドと合わせみて、概ね東京の土地と考えうると判断して、上記のコメントを行っています。

ご参考) 国土交通省「土地取引動向調査」
URL:  http://tochi.mlit.go.jp/torihiki/corporate-torihikidoukou

 

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