新駅開業の地価への影響は? – その2

本ブログは、専門家による時事ネタコラムのサイト「JIJICO」に2014年10月24日に掲載された寄稿記事のオリジナル原稿です。

ー 前回からの続き

次に、これらのエリアの将来の地価の動きがどのようになるかについて、定量的に考えてみましょう。

実は、最近の東京都心の事例で、新駅設置がらみの地価の動向を示すいいデータは見当たりません。
そこで、新駅設置ではありませんが、2012年にスカイツリーが開業した墨田区の事例、2010年3月に横須賀線の駅が開業した川崎市武蔵小杉の事例、2013年にグランフロント大阪が開業した大阪梅田の事例を取り上げます。
開業前の2005年から今年までの9年間における近隣の地価公示や基準地の価格の上昇率を求めることで、それぞれのイベントの影響を測ります。
但し、単純な上昇率には、一般的な不動産マーケットの好不調の影響が含まれてしまいますので、一定の手法でそうした影響を排除した上昇率(便宜上、修正上昇率という)を求めます。

結果は次の通りです。

・スカイツリー       修正上昇率 約22%

・武蔵小杉         修正上昇率 約66%

・グランフロント大阪    修正上昇率 約43% 

スカイツリーでは、周辺を巻き込んだ開発にまでは至りませんでしたが、武蔵小杉や梅田では、マンションや商業施設が次々と開発され複合効果が顕著となったことから、地価の修正上昇率がスカイツリーに大きく勝る結果となりました。

これらから、東京オリンピックまでの約6年間とその後3年間の9年程度の期間を見据えますと、新駅エリアにおける地価の修正上昇率は50%内外が見込めそうです。
但し、この上昇率は、駅近の最も好影響を受けるポイントに関しての上昇見込ですのでご注意願います。

新駅設置の効果は、単純な交通利便性で決まるのではなく、複合的な開発効果でブランド力や集客・居住力を高められるかにかかっているのです。
その意味で、両新駅エリアは、今後非常に期待が持てるエリアと言えましょう。

ご参考)JIJICOの掲載ページURL ⇒ http://jijico.mbp-japan.com/2014/10/24/articles12956.html

 

 

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