NISAに関しFPがアドバイスする2つの嘘

今日はクリスマスでプレゼントを楽しみにされている方も多いと思いますが、来年始めからスタートするNISAは個人投資家への税制上の大きなプレゼントと言えます。マネー雑誌や新聞などで、NISAや投資に関するファイナンシャル・プランナーのアドバイスをよく見ますが、”そのアドバイスはどうなの?”と思うようなものもよく見受けられます。今日は、その中からNISAに関するアドバイスでよくある2つの嘘を取り上げてみます。

  1. NISAの中では、NISA用に新たに設定された投信は組み込むな!
    これは、その投信に運用実績がないからリスクが高いというのが論拠のようです。であれば、NISAに限らず新たに出てきた投信は買えなくなります。NISA内であろうが、そうでなかろうが、リスクは同じだからです。新設投信は買うなというような、バカなアドバイスはありえません。また、こういう論を展開する方は、”過去の運用実績が今後も続くわけではない”という、投資の初歩を知らない方のように思います。あえて一般の方にアドバイスするにしても、”新設された投信は、その運用会社がこれまできっちりしたファンドを運営しているかどうか、その投信の主な販売会社が相応の販売力を持っているかどうか、運用対象が具体的には何でどんなリスクを持っているか、それが自分の投資方針に合致しているか、を確かめた方が良い”、というアドバイスになるべきはずです。
    NISAの口座は各金融機関が鳴り物入りで獲得競争を繰り広げました。口座については制度変更が予定されており、今後毎年、口座を開設する金融機関を変更できるようになりますので、各金融機関は今回新たに設定した投信の運用が問題ないように全力を傾けるはずです。もちろん、コンプライアンスやガバナンスがそれなりにきいている金融機関に限りますが。
  2. NISAで買ったら期間が終了する5年後まで売ってはいけない!
    これは、NISAの年間100万円の投資枠に関し、途中で売却してもその売却で空いた金額分を使って新たに非課税枠として投資することはできない、という性質を踏まえてのアドバイスと思われます。もちろん、NISAのその性質からして、5年程度の期間で寝かしておけば自然と成長するものを選べば良いという意味ではわかりますが、それを、”売ってはいけない”と言われると、何をおっしゃっているのですか?と問いたくなります。最初は、5年寝かせるつもりで買っても、環境の変化で非常にいい水準まで価格が上がるようなことがあれば(可能性としては十分ありうることです)、その後の下げリスクを考え、きっぱり売ってしまうのが投資の王道です。売却後の空き枠を使えないということをいたずらに重視して、ベストの売りタイミングを逃してしまうのは愚の骨頂です。”売ってはいけない”というアドバイスをしてしまう方は、サンクコスト(この場合、既に投資してしまった金額分が、サンクコストに該当すると考えていいでしょう)の概念を知らない人なんだろうな、と思ってしまいます。

NISAの概要を書いた以前のブログはこちら

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