日銀短観・内閣支持率と景気

12月日銀短観の結果が今朝発表されました。通常最も注目される大企業製造業のDIはプラス16となり、前回(9月)調査に比べ4ポイント改善しました。市場予想をもわずかながら上回り、2007年12月以来の高水準となりました。一方で、今から3ヶ月先の予測を示すDIはプラス14となり、今回数値より2ポイントの悪化を示しています。午前の株式市場は、円高に触れたことと日銀短観のうちこの先行きの改善幅の縮小等を受け、やや弱含んでいます。

とは言え、私が注目したいのは、中小企業のDIです。中小企業全産業のDIは、前回調査より7ポイント改善しプラス3となりました。これは、1991年11月調査以来22年振りの高水準なのです。これまでアベノミクスの恩恵は、大企業や富裕層は受けているが、中小企業には縁のないものという論調が多かったのですが、ここにきて、中小企業の景況感も一気に高まりました。1991年以来というのは素直に喜んでいいデータなのではないでしょうか。
一方で、安倍内閣の支持率は、最近の各種調査で10ポイント近く低下し50%前後の支持率を示す調査が多くなっているようです。

今、日本経済が良い意味で世界から注目を浴びている理由の一つに政権の安定が挙げられますが、日本の国内事情のうち、来年前半で私が気にかかることは、次の二つです。
1. 安倍政権の人気の陰り
2. 消費税導入により経済が減速することを実態以上に悲観する報道等の増加

上記2は悲観論が大好きな日本では大いにありえそうなことです。それに伴って政権の人気が更に陰ることも、全くないシナリオではなかろうと思います。普通にしていれば、消費税増税直後のマイナス成長から景気が徐々に回復するものを、大げさに騒ぎ立てることにより企業や消費者のマインドが大幅に悪化し景気が腰折れしてしまわないように、冷静な観察眼、分析力を皆が持ち発揮することを祈ります。

 

 

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